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過激に可憐なデッドエンドライブ
【ファンタジー その他小説】

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過激に可憐なデッドエンドライブ-21

「だから、アンタは誰なんだ」
 ばちこーん
 四度目のゲンコツを喰らった。
「何を寝ぼけたことを言っている!」
 少女のゲンコツは凄まじく痛く、思わず殴られた頭をさする。
 そんな俺を見て少女は軽く咳払いをすると、偉そうに踏ん反り返って言った。
「よいか、お前がキョウコの息子ならば、私はお前の主君筋にあたる。我が名を覚えよ!」
 どーんと宣言するように言う少女。よく見れば涼しげな目を更に細めて俺を見つめていた。余韻をためて更に口を開く。
「私はリリムレーア。リリムレーア・イシス・ドラグーンなるぞ! 偉大なる竜神の第二王女にして、第四王位継承者である!」
 どうだとばかりにすました顔をするリリムレーアと名乗る少女。差し込む月明かりのせいかやけに気品があるように感じられる。が、しかし。
「……」
 ドン引きである。
「む、どうした? ああ、私の名前は余りに畏れ多いので殿下とか姫様とか呼ぶように」
 自分で畏れ多いとか言ってるし。
 この女はあれか、頭が可哀相な子か。
 ぐしゃ
 その時、トマトを潰すような音がして俺の鼻に拳がめり込んだ。
「な、なにすんだバカ! 俺の自慢の鼻が!」
「今、失礼なことを考えていただろう」
「な、なんで俺の考えたことわかるんだよ」
「お前の考えていることなどすぐにわかる。顔に出やすいぞ、お前」
 よく言われることなので、何も言えない。
「…本当にお前が焔の当主なのか?」
 リリムレーアがため息混じりに聞いてくる。
「俺が当主? 誰があんな家継ぐもんか!」
「だと思った。焔め、この私にこんなドラ息子を遣わすとは…。では、早速当主に会わせて貰おうか」
 やれやれというように出されたリリムレーアの申し出にほんの数秒考える。
 うちの当主って言うと、あの妖怪ババアだろ。
 俺の人生をめちゃくちゃにしたババアだった。
「ヤダね!」
 本当は考えるまでもないことだった。会いたければ自分で行けって感じである。
 ずぼっ
 突然、俺の髪の毛が何本も抜かれて夜空に消える。
「えっ?」
「禿げるぞ」
 その少女の呟きには有無を言わさないものがあった。
「え、だって俺実家帰りたくないっていうか…」
 ずぼずぼっ
「で?」
「ちょっと、待て!」
 ずぼずぼずぼ
 ああ、なぜか頭の中で教頭先生が微笑んでいる。おいで、おいでと手招きしている。
 今までバカにしてごめんなさいっ!
「…ワカッタ」
 むんずと髪を掴むリリムレーア。
「ごめんなさい、が聞こえない」
「…ごめんなさい、教頭先生」
 グレて家を出た俺。
 そんな俺の心は今ぽっきりと折られていた。
「最初から言え、馬鹿者が。ほら、行くぞ」
 そう言ってさっさと歩き出すリリムレーア。
「え、今から行くんスか?」
 自然と敬語になっているかつてグレていた俺。
「当り前だろう。私には時間がない。お前とは別の変態にも狙われていたしな」
 この女はなぜこうも偉そうなのか。


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