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ふたまわり
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ふたまわり-13

「あのお。わたしに、どんなことでしょうか・・」
幸恵は、小夜子の前におずおずと進み出た。思いもかけぬ声掛けに、信じられぬ思いの幸恵だった。
「あのね、お兄さまの正三さんに、この手紙を渡していただきたいの。恋文じゃありませんからね。他の方に誤解されては困るわ。ちょっと、お願いしたいことがありますの。でね、そのお返事を明日にもいただきたいの。頼めるかしら?幸恵さん。」
「は、はい。兄に渡して、明日ご返事させます。わたしからで、よろしいでしょうか。」
直立不動で、返事をする幸恵だった。
「もちろんよ。あなたから、お兄さまのお返事を聞きたいわ。」
「わかりました、失礼します。」

待ち構えていた女性とに囲まれ、口々にそやされた。
「ねぇねぇ、なんだって?」
「早く、教えてよ!」
「ごめん、口止めされてるの。ほんと、ごめん。」
両手を合わせてあやまる幸恵に、ブーイングの嵐は収まらなかった。

「もう、絶交よ。」
「明日から、一人で来なさい。迎えに行ってあげないから。」
「そんな、許されてえ。」
「なにが、“許されて”よ。」
散々いじめられた幸恵だったが、小夜子を独り占めできたように思えて、嬉しさがこみ上げてきた。


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