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LUCA
【その他 官能小説】

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LUCA-3

     ☆☆☆☆☆



「嘘だったの。愛してるなんて、嘘だったの」

 外は雨が降っていた。雨のシャワーが、街灯に照らされているのがカーテンの隙間から見える。午後九時二十分。流歌の部屋の中。ワンルームの小さな部屋。大きなテディ・ベアが月の光を浴びてこちらを見つめている。一瞬頭をよぎるのは、世界の果てにある狭い地下室に閉じ込められているような感覚。どうかしている。ここは流歌の部屋で、僕はここに来ることを望んでいたんじゃないのか? あんなにも渇望した彼女という存在が、けれど、今こうして隣にしてみると、その輝きは失われていた。たったの半年の間に、魔法は解けてしまったというのか? 僕は、うつむいて喋る彼女の横顔を見つめる。いいや、そんな事はない。僕は彼女をこんなにも大好きだ。でも、それとは別の、全然別の何かが。まるで体の真ん中から腕が生えて、それが僕の夢とか希望とか、そういった一切合財を全部握りつぶしてしまったみたいに思える。

 彼女の孤独を感じ取った僕は、なんとか彼女の体を抱き、口づけをする。不完全な一方通行の愛。僕の吐息は彼女の全てを満たすことを望んでいるのに、彼女は僕の吐息から、何か他のものを望んでいるように思える。僕ではない、他の誰かのぬくもり。そうじゃないのなら、せめて彼のことを忘れさせてほしいという切なる願い。僕の愛した女神は、しかし、ああ。なぜこんなにも残酷なのか。

 女神は微笑んで僕を受け入れる。

 目を閉じ、舌を絡ませる。首筋に舌を這わしたとき、体をくねらせながら女神は吐息を漏らす。目を閉じていても、月の光は感じる。誰かの視線も感じる。テディ・ベア。



雨は強さを増す。カーテンの隙間から射し込む月の光が、彼女の妖艶な表情をいっそう際立たせる。

「いいの。中に出して」

 その言葉に、僕は従う。

「愛してる」彼女を抱き寄せ、僕は囁く。

「    」



 行為が終わってしばらくすると、突然流歌が笑い出す。くすくすくすくすと、最初は笑い、雨の音だけが聞こえていた部屋に、徐々に彼女の笑い声がこだまする。くすくす。くすくす。キャハハ、キャハハハ。笑い声が徐々に大きくなり、僕は怖くなって上半身を起こす。裸の彼女は笑い声をあげているが、顔は笑っていない。目を見開いて、その視線の先にはしかし何もない。目を見開いた無表情な彼女は、甲高い笑声を上げて、ベッドを揺さぶった。声を出せなかった。僕は固まった体を抱えたまま、すぐ隣で笑う彼女の姿を見つめていた。キャハハ、キヤァハァハァと笑いながら彼女は爪を噛む。見ると、彼女の爪は常人の三分の二程の長さしかない。上から見ると、指の肉が丸く、はっきりと見える。もう、噛むべき爪など彼女は持ち合わせていないのに、それなのに彼女は爪を噛むものだから、もう、爪を噛んでいるのか、肉を噛んでいるのか分からなくなって、僕が慌てて彼女の手を引き離すと、指の先が真っ赤で、血が滴り落ちていて、傷口は思ったより深く、血が赤黒く溜まっている。手をとって気づくと、彼女の腕には生々しい傷跡がいくつも見られて、どうやら彼女は自分の体を痛めつけているんだ、ということをようやく悟ると、彼女は呟くように「羽をもいで」とうつろな目をして言うものだから、僕は突然幼少期を思い出す。トンボ。猫。食料。「犯して」僕は彼女のヴァ○ナにペ○スをあてがうと、するすると穴に吸い込まれていく。ぐちゅぐちゅと音を出しながら僕は彼女を思い切りつき上げる。快感が脳髄を支配し始め、流歌が首を絞めてと懇願し、僕はそれに従う。ねえ、私は愛する人にこうやって首を絞められながら犯してほしかったの。そして、精液を私の中に吐き出してくれるのを望んでいたの。ううん。嘘。そんなの望んでいなかった。ただ幸せになりたかっただけ。でも、そのためには深い愛が必要で私はこういうことでしか愛を得られる方法を知らなくて、それで、何度もこうして懇願して、毎回精液を頂戴して、そうしているうちに、あいつの子供を妊娠したの。


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