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僕らの日々は。
【コメディ その他小説】

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僕らの日々は。〜聖夜に駆ける男達〜-3

「でも実際危ないよね、煙突からって。『あわてんぼうのサンタクロース』の歌ではサンタが煙突から落ちてるけど、あれ確実に骨折してるよね」
「大丈夫よ春風。サンタはそれくらいじゃびくともしないわ!」
「一葉の持つサンタのイメージはどんな超人なんだよ……」

一般的なイメージでは、サンタは太っちょのおじいさんだと思う。

「でも、一般的なイメージだと……マズいわね」
「へ?何が?」
「確実にメタボよね、サンタさん」
「……まぁ、だろうね」

やっぱサンタ界にも健康診断はあるのか。
……サンタもビリーとかやってるんだろうか?
……いや、まぁ僕はやったことないから、効くかどうかは知らないけども。

それからしばらくテレビを見ながらぼーっとしていると、そういえば……と一葉が口を開いた。

「サンタって言えばさぁ、笑い声も特徴的よね」
「……笑い声?どんなのだっけ?」
「『Yoーhoーho!』ってやつよ」
「あぁ、あるある」

確かに、何故かサンタの笑い声と言えばアレだ。
……誰かサンタが笑うのを聞いた事があるのだろうか?

「でもさ、考えてもみなさいよ?」


一葉は真剣な顔で、


「真っ赤な服を着て、ヨホホヨホホ笑ってる人がいたら……かなり不気味だと思わない?」
「…………」


ちょっと想像してみた。


ちょっとしたサスペンスだった。


「……うん、不気味だ。果てしなく」
「でしょ?そもそもヨホホなんて笑い声、なかなか出るもんじゃないわよ」

うんうんと頷く一葉。

テレビの中ではどの局もクリスマス特番をやっている。
出演者達が『メリークリスマス!』と言う声が、部屋に響く。

「……うーん。さっきも言ったけどさ、別にまだ今日はクリスマスじゃないわよね?」
「正確には明日だね。まぁ、最近は今日がクリスマス本番だと勘違いしてる人もいるから……」
「何か意味があるのかもしれないけど……個人的に納得いかないわ」
「何で?」

当たり前じゃない、と指を立てて、

「だってさ、キリストさんからしてみたら誕生日の前日を盛大に祝われてるワケでしょ?」
「まぁ……そうだね」
「『おいお前ら!俺の誕生日は明日だ!今日じゃない!』って気にもなるわよ」

いや、まぁ。

確かに、自分が誕生日ではなくその前日を祝われたとしたら、多少複雑な気分になりそうだけど。

祝うべき日を間違えてるわよ、と呟く一葉を見る。


……なら、考え方を変えてみよう。


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