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恋愛武勇伝
【純愛 恋愛小説】

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恋愛武勇伝 第三章 kazuko編-2

=無免許=

kazukoと 蛍狩りに出かけたんだよ。
俺の愛車=軽自動車で悪かったな!=でだ。
「狭いよお!」
なんて、ぶつくさ言いやがって。
バイトで買った車だ、文句あるんかよお。
親掛かりじゃないんだぞ、一円だって援助無しだあ!

ガソリン代だって、自分持ちだ。
そこらの甘ちゃんと、一緒にするなょな。
えっ!
め・ん・き・ょ?
それわぁ・・・無免許だょ・・無免許だょお!

車の名義人・・?
おじさんだょ。
仕方ないだろうが、買えないんだから。
従兄が車を買い換える時に、譲ってもらったんだよ。

大枚十五万円を払ったんだぜ。
三ヶ月分のバイト代が、パァだ。
内緒だから、これ。
親にも、言ってないんだから。

運転?
もちろん、安全運転だ。
スピードなんか、出せるわけないジャン!
捕まったら、アウト!だぜ。
俺だけじゃなくて、従兄にも迷惑がかかるしさ。
事故ったりしたら、もう最悪!だろうがあ。
いくら俺でも、その位の常識はわきまえてる。
マジに、内緒。
ホントに、頼むよ。

あと、一年足らずなんだょな。
そうしたら、即免許を取るんだ。
そんでもって、ガンガン飛ばすんだ。
エンジンが悲鳴を上げる位、飛ばすんだ。
もう、アクセル踏みっ放しでさ。
スカッとするだろうなあ。

ちっくしょお!
誰だょ、十八からにしたのわ。
昔は、十六で取れたらしいジャン!
おじさん、十六で免許を取りに行ったらしいもんナ。
笑っちゃうんだょ、それが。
なんと、免許証を取れたの、十七だってサ。
十六の誕生日に、試験場に乗り込んだらしいんだ。
昔は教習所通いじゃなくて、直接試験場に行くのが当たり前らしかったんだ。

そんなに下手なのか、って?
とーんでもない!
抜群に上手い。
惚れ惚れする。
何で一年も掛かったかというと、無免許運転暦が長かったせいさ。
試験官が意地悪な奴で、
「お前、無免許運転してるだろう?
だから、合格させない。」って、
ほざいたらしいぜ。
さすがのおじさんも困っちゃって、親に相談したらしいんだ。

でね、親同伴の試験場だって。
サマになんないょな。
「お前は、速過ぎるゾ。
他の人間の、半分の時間で帰ってきたゾ。
もっと、ゆっくり走ってみろ!」

さすがだねぇ、あの親父さん。
一発で、原因を探り当てたもんね。
さぁ、それからが大変だぁ。
何でも昔は、貸しコースという所があったらしくて、そこで延々二時間も、トロトロと走らせたんだってサ。
セカンドのギアで、時速十キロ。
気が狂うぜ、俺だったら。

でも、さすがおじさんだ。
耐えたんだよ、それに。
根性あるょなあ、マジで。
翌日、再挑戦!
で、見事に合格!
試験官、目を丸くしたらしいわ。
その日は別の試験官だったらしいんだけど、おじさんの時だけ代わったらしいんだ。
底意地が悪すぎるよ、そいつ。


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