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ミッション
【ミステリー その他小説】

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ミッション-2




次の日、明弘は朝の8:00に起きた。テレビのリモコンを探し、電源をつける。いつも見ているニュースが流れていた。洗面所に向かい、歯ブラシに歯磨き粉を塗る。シャカシャカ音を立てながら、リビングに向かう途中、キャスターの言っていることに聞き覚えのあるキーワードが出てきた。あわてて昨日の紙を見た。すると、その住所と一致した。
明弘は、冷や汗がどっと出たのが分かった。自分が昨日置いてきた物は何だったのか。爆弾だったのか。あの箱のせいで、俺のせいで、一家が消えた。一瞬にして吹き飛んだ。焦った明弘を脅かすようにして電話が鳴った。
『どうだ、自分の手で人を殺す感覚は。』
健太の声だ。明弘は、この声を聞いたとたんに怒りが沸々とわき上がってきた。しかし、ここでキレてしまってはいけないと、冷静を装った。
『何故こんな事を?』
『そんなことはオマエには関係ない。オマエは、俺の言うとおりにすればいいだけだ。』
『まだ何かあるのか。』
『ああ、もっとたくさん仕事してもらわなきゃな。』
『これからも人を殺さなくちゃいけないのか。』
『そうだろうな。何人も人を殺すことになるだろうな。でもな、オマエはもう人を殺したんだ。警察に行けばオマエが捕まるだけだぞ。』
『くっ!』
殺してなんかない!と叫びたかった。でも、現に俺は人を殺した。何にも言えなかった。同じ穴のムジナなのだから。
『今日、早速ミッションを与える。』
『もう、人は殺したくない。』
『もうすでに一人殺しただろうが!!』
『知らなかったんだ!あれが爆弾だなんて!!』
『だから?』
と言われ、返す言葉が見つからなかった。確かに俺は殺したつもりはないが、他人から見れば立派な人殺しだ。
『これから、何をさせる気だ。』
『今日はな、病院に行ってもらいたい。』
『病院で何をすればいいんだ。』
『着いたらまた電話をくれ。』
とだけ残して、電話はとぎれた。
『何だってんだ。』
イライラを募らせながら、職場の上司の河島さんに連絡を入れた。
『すいません、今日休ませてもらえませんか?』
『全然いいよ。こっちは暇だからゆっくり休みなよ〜!』
いつもは忙しいのにこんな時は暇なんだな、と少し驚きながらも、
『ありがとうございます。』
とだけ言って、電話を切った。とりあえず病院に行かなければ。服を着替え、少し香水をふってから車に乗り込んだ。


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