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ミッション
【ミステリー その他小説】

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ミッション-1




明弘はイラついていた。先ほど連絡を受け公園に来たのだったが、いつまでたっても肝心の健太が現れない。先に誘ったくせにすっぽかすとは、あまりにふざけてる。もう待てない、としびれを切らした明弘は、帰ろうとした。すると、健太から電話がかかってきた。
『何やってんだよ、おせぇーな!!』
『・・・』
『おい!聞いてんのかよ!!』
『・・・』
何度問いかけても、健太から返事は返ってこない。流石に頭にきた明弘は、きってやろうとした。すると、
『聞こえるか。』
健太から返事が返ってきた。
『何だよ、返事くらいしろよ。大体遅すぎなんだよ。』
明弘はイラついていたこともあり、そのイライラ全てをぶつけた。すると、健太からの答えはこうだった。
『いいか、今から言うことをよく聞け。そして必ず遂行するんだ。変な動きをすれば即座に殺す。』
意味が分からなかった。
『何が言いてぇんだよ。』
『いいから黙って聞け!!』
いきなり怒鳴ってきたことで、明弘はかなりびびった。健太のこんな声は初めて聞いた気がする。
『おい、どうしたんだよ急に。らしくねぇぞ。』
明弘は、少し焦ったように言った。
『言うとおりにしなければ殺すと言ってるんだ。こっちはいつでも殺せるんだぞ。』
どこかにいるのだろうか、と周りを見渡すが、夜である為よく見えない。だが、向こうはこっちが見えている。今後も言うとおりにした方が良さそうだ。
『で、どうすればいいんだよ。』
『簡単な事さ。今から男子トイレの個室に入れ。』
あたりを見渡すと、ぽつんと小さなトイレがあった。仕方なく入った。
『入ったぞ。』
『そしたら、棚の所に箱があるだろう。それを、その上にある紙の住所まで届けて欲しい。』
『それだけか。』
『ああ、それだけだ。』
見上げると、そこには健太の言うとおり、箱と紙が置いてあった。
『タイムリミットは24:00だ。じゃあ、健闘を祈るよ。』
その後に、電話は切れた。
明弘は箱と紙を手にし、車に乗りこんだ。だが、明弘はどうしても箱の中身が気になった。明弘はゆっくりと箱を開ける。そこには、大きく「24:00」と点滅している機械があった。危険な香りがして。すぐに箱を閉じた。ただいまの時間は22:23。まだまだ時間もあるし、書かれている住所もそう遠くはない。難なくこなせるみたいだ。
車に乗り込み10分かけて、目的地に向かった。ついた場所は、いかにも金持ちそうな豪邸だった。その豪邸の前に置かれたポストには、何も入っておらず、そこに先ほどの箱をつっこんだ。
『終わった。でも、健太は一体どうしたんだろう。』
疑問だけが残る中、明弘は家に帰った。


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