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殺人生活
【ミステリー その他小説】

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殺人生活-4

『わかった。けど、失敗は絶対に許されねぇぞ。ばれちまったら、英義を助ける俺等が捕まっちまうからな。』
勇太は無言で頷いた。
『よし、じゃあやるか!』
少しでもテンションをあげるために勇太が言ったのが、麗亜には分かり切っていた。
部屋を出て、パソコンルームへと向かう。勇太と同じくらいのその部屋は、無駄な物は何もなくパソコンとパソコンに関する本がびっしりと並べられているだけで、その横の十個のラックにもCDやMD、DVDが置かれているだけだった。
すでに開いている扉に勇太がノックした。振り返った勇太の母親は驚きを見せずに言った。
『あら、勇太帰ってたの。』
『うん。』
『その隣は麗亜君?』
『どーも、おじゃましてます。』
トン、と背中を叩かれた麗亜はそのまま前へと歩みを進めた。
『少し大きくなったわね。』
『はい。』
『何センチなの?』
『172ですね。』
『しばらく会わないそんなに大きくなったの!?』
二人の中で笑いが起きた。すると、そこで勇太がゆっくりと部屋を後にし、自分の部屋に戻った。鍵のついている引き出しに鍵を差し込み、右に回して引く。引き出しの中には二十センチほどのナイフが入っていた。持つ部分をぎゅっと握りしめ、美智子の元へ。
扉の前に隠れ、麗亜の合図を待つ。
『そう言えば勇太がいませんね。』
『あら、ほんと。』
きた。そう言う思いでゆっくりと深呼吸をする。扉から現れた瞬間に麗亜が叫ぶ。
『あっ、あそこ!!』
指さした方向を見た美智子は、どこ?と言った風に何かを探している。しかし、見つかるはずはない。何も見つけてなどいないのだから。
意を決してナイフを美智子側に向けた勇太は、そのまま突進する。
グサッと言うよりは、ドンッと言った感じで美智子の背中にナイフが突き刺さる。嫌な触感が伝わり、瞬時に手を離してしまった。どろどろとした血を流しながら、そのままスルリと横に倒れた。





『英義、食べられるか?』
寝たまんまの英義をわずかに起こして食べさせた。食べさせたのは人間のもも肉レバー和え炒めだ。もちろんこのことを英義はまだ知らない。
『上に行ってるな。後でまた戻ってくるからさ。』
無言で英義は頷き、勇太、麗亜の二人は階段を一歩ずつ上がっていった。
何とか完食してくれた事で心底ホッとしていた。そのおかげで完全に体力も戻っていた。しかし、元々英義は食欲がある。だから、すでに体の半分を食べてしまった。おそらく、後一食分しか持たないだろう。
この症状は、腹が減ってくると同時に苦しさが増してくるはずだ。だとしたら、また次の人間を殺しに行かなくちゃならない。それを計算すると、毎日必ず一人は仕留めてくるペースになるだろう。
先が思いやられる。いずれはここを出てどこかに隠れておかなければ。でも、ずっとこの生活を送るのか。いや、もう今は考えるのはよそう。
とりあえず今日の晩、もう一度誰かを殺しに行かなくちゃならない。それまでは英義の看病をしてやるか。
『どうしたんだよ麗亜、一人で考え込んで。』
『あ……いやあちょっとこの先のことを考えてた。』
そうか、と言った勇太はそのままソファーに倒れ込んだ。
『眠いなー。』
と、のんきなことを言っているがこいつが一番苦労しているはずだ。母親が殺された。しかも自分の手で。麗亜には考えられなかった。もしあの場に自分が勇太の状況で立っていたとしたら間違いなく殺せはしなかったろう。いくら恨んでいても。それほど親を憎んでいたか、英義を助ける気持ちが強かったかのどちらかだろう。まあ、どちらにしても麗亜には到底できないことだった。


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