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電波天使と毒舌巫女の不可思議事件簿
【ファンタジー その他小説】

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電波天使と毒舌巫女の不可思議事件簿 ―争い編―-3

「というわけで、お願いします」
 どういうわけなんだと内心のみでツッコむ。
「はい、わかりましたよ〜★ 激しい夜をお楽しみくださいふっふー♪」
「今昼間、あんたが言うとエロさより悪夢見そう、そして確実に一切事情分かってない、ってどれだけツッコミ入れさせれば気が済むのかなー……」
 多分どれだけツッコもうと意味はないのだろうが、それでもツッコまないと目の前にいる仲良さそうな夫婦が目を丸くしたまま反応に困る。
 テスト前の日曜日という一番の勝負時を潰してまで頼まれたのは、目の前の夫婦の子供が行方不明になるというかなり深刻なものだった。
 勿論、協力出来るならしたいが、真琴はまだ高校生だ。警察に任せた方が、と遠回しに言うと、既に届けは出してあるらしい。
「とにかく、よろしくされたので。お任せください」
 つまり、結局、〔現象〕絡みの事件なのだ、これは。
 依頼人とじぃさまから話を聞いた真琴と美由貴はある廃ビルの前に来ていた。じぃさま曰く、子供の最後の目撃証言が、このビルにふらふらと入って行ったというもの。目撃したなら止めなよ明らかに子供が遊んでいい場所じゃないだろうと思ってみたら、止めようと追ってみたが、何故か入る気がしなかったらしいとじぃさまに先回りで言われてしまった。
「美由貴はどう思う?」
「そうですねー…………
 …………………
 ………………
 ……………
 …………
 ………
 ……どうとも思わないねっ!! 行こう正義の味方は裏口突破で!!」
「凄まじくムダなタイムロス、訊いたアタシがバカでしたごめんなさい」
 胡乱気に返し、ペンジュラムを取り出す。水晶〈クリスタル〉の、最もシンプルなペンジュラムは、特別な効果はないが〔意志〕そのものを増減する。
 この〔現象〕の源である〔意志〕が無関係の人間が関わることを拒んでいるからビルに入る気がしなくなる。結界と仏教の人間なら呼称するかもしれないが、この場合真琴の流派では単なる〔意志〕と〔意志〕の反発でしかないとされる。つまり、――

 ――フワァァアン……

 〔増幅器〕独特の共鳴音が、真琴を包む。
 真琴の気配が、薄くなった。自らの〔意志〕を抑えることで反発を防ぎ、このビルに入れるようにしたのだ。
「ってなんで美由貴はあたりまえに素通り出来るかなあ」
「だって美由貴ナチュラルメイクなヒトだから☆」
「存在自体はぶっちぎりでアンナチュラルなのに。天使ってだけでなんでもありか? おまけに美由貴のメイクはナチュラルじゃないし、むしろピエロだし……」
 何に対してツッコむべきかわからなくなった。早く終わらせようと、ビルに入る。
 しかし〔現象〕に関わっていいことがあった試しがない。今回もそうなるだろうか。


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