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電波天使と毒舌巫女の不可思議事件簿
【ファンタジー その他小説】

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電波天使と毒舌巫女の不可思議事件簿 ―争い編―-2

 そう、そして美由貴は天使なのである。その証拠というわけではないが、
「〔増幅器〕は直せたのか?」
「まだちゃんと見てないけど、半分ぐらいは直したみたい」
「ほう」
 壊れたのは美由貴が〔増幅器〕に興味を持ち、使ってみたら〔増幅器〕が美由貴の力の大きさに耐えられなかったからだ。〔増幅器〕を使った真琴より全く道具を使わない美由貴の方が千倍は多彩で緻密な〔現象〕を起こせるのだから、美由貴が如何に規格外の馬鹿力を持っているかが分かる。そんな規格外の天使の力に人間が作った〔増幅器〕が耐えられるわけがないのだ。
「直せるのか。今は喪われた技術がその〔増幅器〕には使われているからな、今の人間には直せんのだが。直せたとしても数年は月日に当てなければ元通りとはならない筈だが」
 美由貴が直した分の〔増幅器〕を電灯の光に透かし、眺めるじぃさま。
「直ってるな。寧ろ元々より性能が良くなっている」
「でもアタシ要らないよ、〔増幅器〕なんて」
 真琴は〔現象〕が好きではない。嫌悪していると言ってもいい。何故なのかと訊かれると、自分でも分からないのだけれど、でもじぃさまは寧ろ積極的に真琴を〔現象〕に関わらせようとする。
「明日は一日空けなさい」
 ほら、こんな風に。有無を言わせない、硬い口調。
「もうすぐテストがあるから勉強しないと」
 白々しく言い訳してみるが、
「普段から勉強しておけばそれなりの点はとれるだろう。明日は依頼者が来る。真琴も同席しなさい」
「……はぁい」
 じぃさま一人で片付けられるのに、何故真琴を巻き込むのか。バイト料がなかったら絶対サボるのだが。


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