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マッドな彼女with俺
【コメディ 恋愛小説】

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マッドな彼女with俺3-6

「っ〜…分かったわよ、何でも言うこと聞いてあげるわよ!」

苦節2週間あまり。
体感時間で5年ぐらいか…長かった。
やっと、やっと俺の時代がやって来るのだぁぁぁ!!!

「ならば、言おう。
一回しか言わないから心して聞くように」

これが俺の妄想の力だ!

「…これから俺と「お待たせ致しました。
ラザーニャとパスタとインゲン豆のヴェネト風でございます」

ウェイトレスゥゥゥ!?
今取り込み中!空気を読め!!

「おいしいわね」

えっ!?
何事もなかったかのように食べていらっしゃる!
切替え早すぎだろ!

「えーと、あのー、俺の勝者権利の方は…」

「このパスタすごく風味がいいわ。このお店なかなかやるわね」

無視だぁー!
俺の言うこと全く聞いてねぇ!

「あのー「味もしつこくないし、」

「香澄さ「香りも悪くない」

「俺のこと「これでこの値段は」

「無視「安過ぎじゃないかしら」

……もう、いいです…。

「…いただきます」

俺はぼそっと呟いてちびちびとラザーニャを食べていった…。




「あの店良かったわね。
また行きたいわ」

「さいですか」

ちくしょう、何でこんな空しい気持ちにならなくちゃならないんだ!

「元気ないわね。ほら、次はあそこに行くわよ」

そうして香澄に連れて来られたのは雑貨店だった。
店内はアンティークものが中心で女性に人気がありそうな感じだ。
いや、人気がありそうってか人気があるんだろうな。現に店内にいるのは俺以外、全員女性のようだし。

「あっ、これ可愛い」

香澄は無邪気に楽しんでるようだ。
この店に入ってから香澄の目が輝きっぱなしなのを見るとよほど雑貨が好きなんだろうな。

なんかいろんな意味で安心したよ…。

「ねぇ、これどう思う?」

そう言って香澄が見せてきたのは………何だコレ?
便秘に悩んでいる猿の置物…いや、見方によってはイルカにも見える…


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