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仕草風見録
【痴漢/痴女 官能小説】

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仕草風見録-2

「い、いやぁ……」
 対象がか細い抵抗の声を上げる。
 しかし、私はそうした仕草を見るのが好きなのだ。裸体でもないのに、思わず欲情してしまう愛らしい仕草を楽しみたいのである。
 だから、対象の抵抗など意も介さず条件を与え続ける。
 胸のガードが緩んだ隙に、服の中へと手を突っ込んでゆく。ポリエステルではない、シルクのブラジャーが双丘を包んでいた。スカートの中にも手を入れたところ、おそろいの下着らしい。
「や、やめ、て」
 対象が歯を食いしばるように懇願する。が、そうした羞恥の念が私の加虐心をそそり立たせる。
 こんな時にでも――いや、こんな時だからこそ見られる仕草というものがあるのだ。抵抗しつつも、平静を保とうと長い黒髪に指を滑らせる対象。まるで、己の身は己の物、と主張せんばかりに自分の体を摩る。
「君の物を奪うつもりはないよ。ただ、それを見せて欲しいだけだ」
 私は対象の主張に応じて、そう耳元で囁く。
「い、嫌です……手を放して、ください」
 対象は私の魔手から離れようと必死にもがくも、前にも横にも逃げられぬ満員電車の中である。
 そして、ダメ、と言われると余計に見たくなるのが人の心理だった。
 ついつい強引に、臀部を撫で摩っていた手を股の間へ滑り込ませてしまう。
「やぁッ……やめてぇ……」
 ショーツの上から恥部を撫でられて、今度はもう少し強く抵抗を試みる。
 そろそろ気付いても良い頃だろう。
「み、みんな……」
 友達に助けを求めようとする対象。普通なら、こうした状況で女性が声を出すのは難しい。しかし、対象は慣れでもあるのか友達にアイコンタクトを送る。
 だが、友達は雑談に花を咲かせているようで、対象の困惑に気付いてくれない。
「諦めて見せてくれよ。それに、口ではそう言ってもこっちはそう思ってないみたいだよ」
 前後に滑らせる私の指に、僅かな湿り気が帯びてくる。
 汗ではない。対象の恥部から溢れ始めた愛液だ。
「そ、そんなこと、ありませ……んッ。お願いですから、止めてください」
 嬌声が声から漏れるのを堪えようと、懇願しながら指を咥えて声を抑える。
 それでも観察を始めた私に慈悲などというものは無く、恥部を擦る指に力と加速を加える。
「ひあぁッ! はぁ、はぁ……強く、しないで……」
 指だけでは堪えられぬと思い、対象はガードを解いて両手で口を塞ぐ。
「く、ふぅ。ふあぁッ、ぅん……あん……だ、めぇ。気持ち――」
 ついつい口から漏れそうになった本音を、かぶりを振って振り払おうとする。乱れる髪から、洗剤の香りが微かに香る。
「こんなことをされて感じるなんて、とんだ変態だね、君は。それじゃあ、もっと気持ちよくしてあげよう。もうそろそろ、君が降りる駅だからね」
「えっ?」
 私の囁きに、対象が身を強張らせる。そして、臀部に宛がわれた硬い感触に対象の顔が見る見る引き攣ってゆく。
「そんな、こんなところで……冗談、ですよね?」
 熱く、硬くそそり立った肉棒には、冗談も酔狂も通じない。ただその欲望を吐き出さんがために、対象のスカートを払いのけて股の下にある愛液で濡れた恥壷へと突き進むのだ。
 両腕で腹部を固く抱きしめ、体を離れなくする。
「熱、い」
 そそり立つ肉棒が内腿に触れて、その熱に少し心を蕩けさせてしまう。
「動くぞ」
「えっ。いや、やめてぇッ!」
 対象は、私の言葉を勘違いしたのか、ハッと我に返って抗おうとした。
 別に、対象との性交を求めているわけではない。それに、今ここでマ○コへペ○スを突っ込んだところで意味はない。特に私の目的としては、何の達成も果たさぬのだ。
 冷静になって対象が私の行為に気付くのは、彼女が目的地とする駅に到着することを知らせるアナウンスが流れてからだった。


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