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未完成恋愛シンドローム
【同性愛♂ 官能小説】

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未完成恋愛シンドローム - 白昼夢 --9

―放課後。PM4:00 更衣室。
「コタロー」
先に胴着に着替え終わったオレは、同じく袴に着替えていたコタローに声をかける。
「ん?」
「何時にする?」
「なにが?」
・・・・。
「いや、あんたん家にDVD取りに行かなあかんし」
「あー」
―忘れてたなこいつ。
「取り敢えず5時に校門前でいい?」
どうせこいつは考えないので、さっさと決める。
「んー。いや、明日持ってくるわー」
「は?」
いやいや
「あんた絶対忘れるやんか」
現に今日だって、既に2回忘れて延びたあとだった。
だったらとっととオレが取りにいった方が早いに決まってる。
「んー」
「ええやろ?」
「まぁ・・ええけど」
「決まりな」
「ん。」
―ったく・・・。世話のやける。
「5時やからな」
「はいはい」
更衣室を出る際に念を押してやる。
そのまま少し歩き、道場へ。
「おはようございます」

・・・・・・。

「帰んの?」
「はい。今日ちょっと用事あって」
小1時間ほど練習した後。最後にもう一度柔軟をしていると、ちょうど主将が近づいて来たんで伝える。
今日は顔出さないと師匠も言ってたし、特にこれ以上やることもない。
「判った。大会も近いし身体には気ぃつけや」
「はい。ありがとうございます」
そう言って礼をすると、少し苦笑いを浮かべながら
「いくら部活中でも、そこまで堅くならんでええってゆーてるやん、イヴ」
と言われる。
「さすがに伊織ちゃんって呼べへんでしょ」
苦笑しながら言うと、一瞬周りがシンとなる。
「まぁな」
「一応先輩・後輩ですから」
「判った。まぁ、気ぃつけや」
「はい」
道場に向けて一礼し、外に出る。
「・・汗かいたな」
そのまま廊下を進んでいき、更衣室に入る。
―シャワー浴びるか。
そう思いながら胴着を脱ぎ始める。
ふと、壁の時計に目をやる。
凍りついた。
PM 4:57
「まずいっ!!」
叫び、慌てて着替える。
考えてみれば、既にロッカーの中にコタローの服は無かった。
なんで気付かなかったんだ・・。
ズボンのベルトを締めながら、更衣室を飛び出した。


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