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「demande」
【女性向け 官能小説】

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「demande」<高崎要>-3

「はじめまして。ちとせお嬢様。執事の「高崎 要」と申します。ご指名頂き、誠にありがとうございます。○月○日、○時に御自宅へお伺いいたします。御自宅では不都合がある場合、ご指定の場所までお迎えにあがりますので、このアドレスにご返信下さいます様、お願い申し上げます。お会いできるのを心より楽しみにしております。 高崎 要」

・・・本当に来るんだ・・・。

ちとせはこのメールで現実に引き戻されたような気がした。自分で望んだことなのに、急に不安がこみ上げてきたのだ。でも、もう引き返せない。私は…この人と…。
○月○日、この日は母親が単身赴任中の父のとこでお泊りの予定だ。この日しかないのだ。私はこの日処女を捨ててみせる。



まったく落ち着かなかった。
前の日は眠れず、何度もお風呂に入ったり、新品の下着をチェックしていた。当日、約束の時間がくるまでちとせの心拍はあがりっぱなしだった。チャイムがなったときに最高値を記しただろう。

玄関のドアを開けたら、まるで王子様のような人が立っていた。眩しさすら感じる。背は高く、黒のモーニングがとてもステキで、髪は少し茶色く光っているよう…。シルバーのフレームが知的さを感じさせ、またとてもよく似合っていた。「本物の」執事みたいだった。

…この人が…高崎さん……。

呆然としているちとせの目を覚まさせるように、高崎は丁寧に頭を下げた。

「「demande」より参りました。はじめまして、お嬢様。本日、お世話させていただきます高崎 要と申します。」

「…み、三橋ちとせです。よろしくお願いいたします」

ぺこっと下げた頭で、髪が顔を遮った。それをさっと耳にかけたのだが、口の端で髪を食べた形になった。優秀な執事はすぐに「失礼します」と言って手袋を脱ぎ、人差し指でスッと髪を戻し、親指で口端を軽く拭った。

「可愛らしいお嬢様にお会いできて光栄です」

ちとせの顔は次第に赤くなり、彼を直視できなくなる。


部屋にあげると、執事はお茶を入れましょうと言って台所に向かった。とても高級そうな彼のトランクには、見たこともない紅茶が数種類入っていた。彼はとても慣れた手つきで紅茶を入れると、私の前にスッと差し出した。

「どうか、リラックスしてくださいね。この紅茶はそのために入れました。今朝焼いたスコーンも持参しましたので、是非一緒に召し上がっていただければ…」
と微笑んだ。

リラックスしてって言った…?
もしかしてこの人はもう見抜いているの?私が今日、お願いしたいことを…。

もしそうだとしたら…そう思うと急に恥ずかしくなった。

「お嬢様?」

ハッと気づいて顔を上げる。

「お口に合いませんでしたか?」

「いいえ!そうじゃないです。おいしいです。」

「何かあれば…なんでもおっしゃって下さいね。今日一日、私の存在はお嬢様のためだけにあるのですから」

…思わず夢見心地になってしまう。こんなこと、もうないんだから、ちゃんと話してみよう。断られたら…笑ってごまかすしかないかな…。


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