投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

「demande」
【女性向け 官能小説】

「demande」の最初へ 「demande」 9 「demande」 11 「demande」の最後へ

「demande」<高崎要>-10

―――――ちとせが目を覚ましたとき、紅茶のいい香りが漂っていた。

「お目覚めですか?」

要が優しい表情でたたずんでいた。

「私…服を…」

「お風邪など召されたら大変ですからね。差出がましいかとも思いましたが…」

「いえ…ありがとう」

要はそっと微笑み、蒸らし終えたばかりの紅茶をちとせに渡した。ちとせには、それがお別れの合図のように思えて切なくなった。

「もう…会えないんですよね…?」

「…申し訳ございません。当館の規則ですので…」

「私、本当にあなたでよかった。こんなこと頼んで…申し訳なかったけど、後悔なんてしてない。むしろ…心からよかったと思える」

「ありがとうございます。私も、会えてよかったと感謝しております。」

「…もう二度と会えなくても、私はあなたを忘れない。あなたはずっと…私の憧れの人。そう思っていていい?」

要はちとせの前にひざまずき、シルバーフレームの眼鏡を外して微笑んだ。そして彼女の手にそっとキスをした。




――――――あっという間だった。
幸せな時間を、ありがとう高崎さん。

ちとせは切なくも、少し強くなれたような気がして嬉しかった。




――――――

「おかえりなさい」

館のリビングには、要よりも5歳年下の翔太朗が待っていた。

「ただいま。他の者はどうした?」

「優斗さんが2階にいますよ。他は仕事へ」

要がコートを脱いだところに、優斗が降りて来た。

「お疲れ様です。いかがでした?」

「ああ…あれくらいの年の子を相手にするのは気が咎める…。」

「…処女だったんですか?」

「ああ」

「それは大変でしたね。要さんのお好みのHができなくて、大変だったんじゃないですか?」

優斗が少し皮肉を込めて言った。それを聞いていた翔太朗が

「え?要さんのお好みの…って、どんなのですかぁ?」

「翔太朗は知らなくていいんじゃないか?まだ、要さんのイメージを壊したくないだろう?」

「優斗。余計なことを言うもんじゃない。翔、気にするな」

「はぁい」

優斗は不適な笑みを浮かべ、今日の要の仕事を思っていた。


「demande」の最初へ 「demande」 9 「demande」 11 「demande」の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前