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キライ
【学園物 恋愛小説】

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キライ B-5

長い…長い…永遠に続くかと思うような沈黙。

ようやく大迫は口を開いた。

「そうだな…。篠田は十分やってくれた」

ずっと『香奈』って呼んでいた大迫が私を苗字で呼んだ。

「でしょー!もう大迫も変な心配せずに本命の子にコクれるよ!」

私は努めて明るく言った。
心は悲鳴を上げてる。

でもそれを大迫に知られずに最後まで笑ってないとだめなんだ!

「そうだな。今なら安心してコクれそうだ」

微笑む大迫に胸が軋む。

もうちょっと…もうちょっとだから頑張れ私!


「そうしなよ。大迫にコクられて断る子なんていないし自信持ってさ。じゃあ私の役目も終わった事だしこれで」

「今までありがとな」

「うん!結構楽しかったよ。上手くいったら私には教えてよね」

くるりと踵を返した私はこれで終わったんだと張り詰めていた心の糸が切れた。



「篠田!」

私は振り向かずに足を止めた。

今振り向いたら笑えない。

「本命にコクるから付き合って」

無理だよ!
そこまで私の心は耐えられない。

大迫とその彼女の姿を何で私が見ないといけないの?!

私は首を振って叫んだ。

「それぐらい1人でやりなよ!」

「いいから」

いつの間に傍に来たのか私の手首を掴んで引っ張って行く。

「やだよ!離してよ!」

踏ん張っても私と大迫じゃ体格が違い過ぎる。
ズルズルと引きずられるように学校に連れて行かれた。 



もうこんな時間に残ってる生徒なんてほとんどいない。

残ってるとすれば後片付けのマネージャーぐらいじゃないの…?

あぁ…、やっぱりマネージャーなのかな…。

マネージャーの勝ち誇ったような表情が思い浮かぶ。

泣かずに最後までいれるだろうか…。

「こっち」

私の思いを知らない大迫は体育館に入り、渋々私も入る。


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