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ルーツ
【女性向け 官能小説】

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ルーツ first-4

その後も何度か彼とは身を重ねあった。
未熟だけれど 未熟なりに慣れてきたようにも思った。
やはり 見られることや 舐められることなど
最後まで抵抗し続けたことはまだ 発展途上のため
仕方ないとあきらめてもらおう。

基本形として私は 男と寝ることを体験した。
無事、関門は通過したのだった。
彼の根気強さに感謝しなくてはいけない。

彼との関係が 恋愛だったという認識はなかった。
彼の家庭を詮索する関心もなかったし
私から会いたいということも一度もなかった。
私にとってはやはり 選ばれた判定士だったのかもしれない。

一度だけベッドの中で
「どうして私と会うの?」と聞いた
「かわいいから」というのが答えだった。

彼も一度だけ 私に尋ねた
「妻の座に座りたいか?」
NOと
私は即座に答えた。

その後彼は 自分の妻の兄を
私に紹介した。
「見合いでもしませんか?」と誘われて興味本位に会った。
三人の食事は和気藹々と過ごしたけれど
私を義理の兄の嫁にしてどうしたかったのだろう。

マジなのか冗談なのか
彼は私を愛してくれていたのだろうか
ただ 私は彼の存在を、その位置づけを定められないまま彼を卒業した。

今度こそ まさしく恋愛をめざして。


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