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ルーツ
【女性向け 官能小説】

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ルーツ 0-2

私は おそるおそる、それに舌をはわせた。
舌ですくうように舐めながらすっぽり咥えた。
咥えたまま口の中で舌を這わせ続ける。
愛おしく 大切に 感謝して。

当然はじめての体験なのに
私はこうさせてもらえることを 心から望んでいたかのように
彼を征服できたかのように満たされる思いで懸命に愛した。

指示をも受けながら
彼がまさに私の手の内にあるかのように。
私の愛撫で悶える。無防備に無邪気に赤子のように。

「ほんとに初めて?・・・天性のものかな」
深く理解出来ないまでも、それが賞賛の言葉であることは感じ取れた。
そしてそれが、私の「女」を形作る上での基となっていく。

彼によって「女」になる機会は逃したけれど
彼によって「女」の悦びを知る機会になった。

ずっと大好きな彼 これからももちろん
ずっと大好きだけど
この日から 異次元のあこがれを卒業して
現実の恋愛に目を向けられる、新たな門出となった。


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