「ストロベリークリーム〜Nuts」-12
＊＊＊
カチャ、という食器の音で私は気が付いた
「あ、れ…？」
「ご注文いただいたケーキをお持ちしましたよ、お召し上がり下さい」
「あの、愁さん…？」
服は乱れていないけど、夢、じゃないよね？
「甘いクリームはお気に召しませんか？
…あぁ、あなたにはこちらのほうが良いのですね」
愁は突然、私にキスをする
「…！…んっ…んぁ…」
ねっとりと舌が絡み、離れたときにいやらしく光る糸が伸びる
「…お口に合いましたでしょうか？」
言いながら、ゆっくりと艶かしく自分の唇を舐める
「ぁ…お、おいしいです」
「…随分いやらしいことを言うんだね…」
愁の言葉で身体が熱くなる
やっぱり…夢じゃない…
「愁さんのところには…他にもたくさんお客さん、来るんですよね…？」
「どういう意味でしょうか？僕が他の方と寝るのは嫌ですか？」
眼鏡の奥にある愁の目は怖い…
だけど…嫌なの
「い、嫌ですっ」
「僕が他の人にも同じことをしたら、君は悲しい？」
「はい…」
「じゃあ、今までどおりサービスを続けよう」
「え？」
意味がよく分からない…
私が困惑していると、愁が首筋に噛み付いた
「あっ…！」
「君はとても可愛い…僕は可愛い子はついいじめたくなってしまうんだよ…」
「愁さん…？」
「…君が僕の言うとおりにするなら、君以外の人に触れないと約束してもいいよ？」
「ほ、本当ですか？」
「ふっ本当だよ…
…ちゃんと…僕の言うとおりに、するならね…？」