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「ストロベリークリーム」
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「ストロベリークリーム〜Nuts」-1

「馬鹿王子は世間知らずなお姫様と幸せに暮らし、迷える旅人は女神様に助けられた…
 …愁の幸せはなんだろうなぁ」

「あ?何の話だよ、紺」

竜がテーブルを念入りに拭き、こちらを見ずに尋ねる

「べっつにぃ〜」

愁の考えてることは読めないからなあ。

「ねーぇ、愁」

「なに?」

僕が少し遠くに呼びかけると、意外に近くで声がする
振り返ると、愁が新しい紙ナプキンの束を持って立っていた

僕は驚かなかったけど、竜がぎょっとした顔をする

「おっお前いつからそこにいたんだよ!」

「さっきからね。竜の狭い視界には入らなかったみたいだけど」

「それ、なんかの嫌味だろ」

そうそう、今のは視野がせまーいイコール単・細・胞って意味だろね

「なんだい?紺」

「シカトかよ」

「愁の幸せってどんなこと?」

僕は愁をまっすぐ見て、尋ねてみる
この男が真面目に答えてくれるかどうかは分からないけれど…

「僕はいつでも幸せだよ?」

「本当の、幸せだよ」

ごまかそうとする愁に、あえて迫ってみる

僕と愁とは互いに一定の距離を置いているから、愁はめずらしく少し驚いたようだった

でも、僕が目を逸らさないのを見て、少し考える姿勢になる

「幸せか…

……僕だけの、天使を見つけることかな」


…天、使?

僕がその言葉の意味を捉えようとする前に、竜の顔が激しく歪む

「うえぇーなんってキザな奴。トリハダ立っちまうぜ」

「ふふっ竜も気の利いたセリフの一つも言ってあげないと、あっさり捨てられて泣くことになるかもね」

穏やかにキツイ一言を言うと、さっさと言ってしまった

「何が、僕だけの天使ぃ〜だよ。いっくら可愛くたってどいつもこいつも同じ女だっての」

天使…

少し気になった。愁の言う「天使」って、可愛いとかじゃなくて…
…なぁんか違う意味がある気がするんだけどな


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