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「ストロベリークリーム」
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「ストロベリークリーム〜Coffee〜」-9

***


「…おーい、唯っ起きろよ」

「ん…なにぃ?」

「まぁ、寝ててもいいけど…俺がすることねぇんだよな」

私が起き上がると、コーヒーの良い匂いがした

「ほら、食え」

竜がクリームたっぷりの苺のケーキを差し出す

「これ、本当にくれるんだぁ…」

「愁の考えだよ」

竜がつまらなそうに言う

「…ねえ、一個聞きたいんだけどさ、
竜ってコレ注文したお客さんにはいつもあんなふうに突っかかってるの?お店つぶれちゃうよ?」

「いつもは黙ってるよ。愁がうるせーし」

「じゃあ、なんであんな…」

言いかけて気付いた。こちらに背を向けてるけど、竜の耳は真っ赤だ。

私はついにやにやしてしまう

「りゅーう…赤いよぉ?」

「ふん…お前、俺が何も言わなかったら愁にしてたろ」

「あー…やきもちだ!」

「ちっげーよバカっ!おら、飲めっ」

竜がコーヒーを手渡す

「…に、苦いー!」

「ブラックだからな。ガキの舌には受け入れがたいだろうなあ」

ムカッ!

でも、この感じ、結構好きかも…

私はふふっと笑った

「何笑ってんだよ」

「このメニュー、竜みたい」

「はぁ?」

「苦いのとすっごく甘いのがセットでさ、苦いぶってるけどぉ、実際は甘いほうが多い……んっ」

竜が私にキスをする

私からもキスをする

「竜…私以外の人と、しないで」

わがままだって分かってるけど…

「…馬鹿、もうお前以外の奴なんて抱けねぇよ…」

私がびっくりして顔を上げるのと、同時に、竜が私を抱きしめた。

「…唯」

「竜…」

…大きな体にすっぽり収まって、私はケーキみたいに甘い気分になった……


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