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インターネットカフェを出ると朝焼けだった、
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インターネットカフェを出ると朝焼けだった、-3

「何や、もうこんな時間か!早よせな終電無くなってしまうわ」
「ほんまや!ありがとうなぁ、スパッて意見言うてくれて。久し振りやいうのに、奢らせて相談乗らせてアドバイスさせて…」
「あ、気にせんでええから。こんなんお互い様やんか。また次は俺の相談乗ってや〜」
「勿論や!ズバズバ、グサグサいくでぇ」
「何やそれ、俺いじめられるんかい」


あれから1週間経った。結論は…出ていない。

今日は元彼と一緒に映画を観る約束だった。彼には何も告げていない。

罪悪感?あるに決まっている。なのに、元彼に逆らうのは、殴られたあの日から少し抵抗がある。『断れない』それが素直な答えなのかもしれない。そして他の誰よりも自分を誤魔化して、私はふらふらと家を出た。

観ていて清々しくなるほど思いっ切りラブストーリーの映画だ。私の趣味ではなかったが、意外にも面白くて眠気も忘れるほどだった。
その理由は単に良く出来たラブコメディー、というだけではない。

映画の中のヒロインには婚約者がいたが、次々と起こる問題に巻き込まれ、すれ違い、離れていく。その途中でヒロインは、婚約者にプレゼントされたネックレスをなくしてしまう。婚約が破談しかけるも、ヒロインは必死でネックレスを探し続ける。一方で婚約者も、音信不通のヒロインを心配し、探し続けていた。ボロボロになった2人は再会し、純粋な気持ちを取り戻す。

とまぁこんなあらすじだったのだが、不覚にも私は涙が止まらなかった。何故だろう、2人が再会するシーンを観たとき、私の右手を握っているのが彼じゃない事に違和感を抱いた。元彼が私の手を強く握り返す。
『彼に会いたい』
私は、湧き上がる素直な感情にはっと我に返った。そのときはっきりと判った。私の本当の気持ちは、元彼には向かっていなかった事に。
私も寂しかった。元彼、あなたとおんなじ。そして彼、あなたも私たちと同じく寂しい思いをしているのだ。

奇しくも、その事に気付かせてくれたのは元彼、あなただったのだ。この映画を観ようと私を誘ったから、気づけたのだ。

言おう。彼に、今日の話を。

私は元彼と別れ、帰路についた。彼の家へと。


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