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Kiss me please!
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Kiss me please!-1

「俺、他に好きな子が出来たんだよね」

久々に会った彼氏にそう告げられた。

高校を卒業してから、お互いに新しい環境に慣れるのが忙しく、会う事もあまりなく、連絡すらも取っていなかった。

だからいつかはこういう展開になるとは思っていたけど案外早く来たもんだなぁと妙に冷めた気持ちで彼の話を聞いていた。

「聞いてる?」

彼の問いかけにハッと顔を挙げて

「あー、うん。わかった」

これが最期の言葉とは思えないぐらいアッサリ返事をしてしまった。

明らかに彼は安堵したような表情を浮かべている。
きっとゴネられたらどうしようと思っていたのだろう。

そういう彼の態度を見てますます冷めてゆく。

こうなれば特に話す事もない訳で

「さよなら」

望は飲み物代をテーブルに出すと席を立った。

新しい女に気を取られている彼は望の事を気遣う様子もない。

望の方でもすごく悲しいという訳でもなく、こんなもんかなとの思いの方が強い。
望としては忙しくてついつい彼との連絡を放置していたのだが、彼の方はその間せっせと新しいカノジョ作りに励んでいた訳だ。

バカにしてるよね!

悲しみより怒りが沸き上がってきて家路まで猛然とした足取りで歩いていた。





「おいっ!」

声と共に急に腕を引っ張られた。

えっ!?

そう思った時にはもうバランスが崩れて引っ張った主の上に倒れ込んだ。

「痛っ…」

下敷きになった主が小さく声を上げる。

思わず顔を挙げた望を出迎えたのは男の怒声だった。

「お前、信号見ろよ!道路にフラフラ出てんじゃねー!」

自分では平常心で歩いていたつもりでも、やはり複雑な気持ちを抱えていたのだろう。
周りをちゃんと見ずに歩いていた望は、車が横行している交差点を渡ろうとしていた。

どうやら寸でのところで助けてもらったらしい。


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