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1・2・3
【初恋 恋愛小説】

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1・2・3-2



ー土曜日
どうしよー…断れないまま土曜日になっちゃった…
メンバーは3対3で女子はうちのクラスのサヤカちゃん・私・原田直ちゃん、男の子はサヤカちゃんの同中の市川厚志・市川君の友達の古賀茂樹・松田平次の6人。カラオケに来たのはいいけど…
うっっ……やっぱり苦手だーーー。
「大丈夫?全然歌ってないけど」
「あっ…うん…」
えっと、この人…たしか、市川…君、だっけ?
「アイツと仲いいの??」
市川君、楽しそうに歌ってるサヤカちゃんを指さした。
「うん、サヤカちゃんって面倒見いいから、いつもお世話になってるの」
市川君をチラッと見ると優しい目をして見つめてた……サヤカちゃんのこと…
…市川君って、分かりやすい…
この合コンで分かったことがある。サヤカちゃんは市川君が好きで、市川君はサヤカちゃんが好きで、お互いそのことを知らない。市川君は私の携帯番号聞いてきた。
「私、携帯持ってないんだ。家でもいい?」
「うん、相談したいことあって…」
市川君、携帯を開きながら言った。
「サヤカちゃんの事??」
市川君、開いてた携帯を力強くパタンと閉めた。
「何で分かったの??」
びっくりしてる。
「分かりやすいよ」
「今度ゆっくりいいかな??」
市川君の顔、真っ赤
「うん、いいよ」
いいなー…サヤカちゃん。
合コンでは結局市川君としか話してなく、やっぱりああいう場所は苦手だな〜
そう思いながら家の門に手をかけたとき
「お前ん家、隣だろ」
しょーーちゃん!!
翔ちゃんに言われてよく見たら本当、表札は‘北原’だった
「あっ、ほんとだ」
「彼氏でもできた」
「え!?」
「ぼーとしてるから、合コンだったんだろ、今日」
「うん、あっいや、ううん!!」
私、翔ちゃんと話してる!?
「合コンだったけど彼氏なんて…やっぱり、ああいう場所は苦手…ていうか…」
私何しゃべってるの?ちゃんと日本語になってる?
「そう、どうでもいいけど、どいてくんない?入れないから」
………
‘どうでもいいけど’…その言葉で、舞い上がってた私は、一気に現実に引き戻された…
私は無言のまま門から離れ、絶対振り向かないって分かってる翔ちゃんの背中を見つめてた。
……翔ちゃんには彼女がいる…あきらめなきゃ………
そう思いながら、私、髪をのばそうって決心した。


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