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気持ちの比例式
【学園物 官能小説】

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気持ちの比例式(Renewal Version)-8

―キ-ンコ-ンカ-ンコ-ン…
「るぅかぁちゃ〜ん♪」
ニヤついた撫子が近付いてきた。
「何?気持ち悪いわよ」
あまりにも笑顔が気持ち悪かったので言ってしまった。
「そんなこと言っちゃって。みずくさいわねぇ」
まだニタニタした気持ち悪い笑顔で見つめてくる。
「何が?」
何を尋ねられているのか見当もつかない。
「とぼけちゃう?」
首を傾げ私と目をあわせる撫子。
「だから何が?」
「風谷君と付き合ってるんだって?」
「へっ?」
気の抜けた返事をしてしまった。
何ですとっ?!
「昨日、放課後二人が一緒にいるとこ見た子がいるのよ。で、キスするくらいの至近距離で覗き込んでたらしいわね?どうなのよ?!」
興味津々という文字が浮かび上がっている顔で詰め寄られた。
付き合ってる?!キス!?冗談じゃない。
そんなコト有り得ない。
撫子の問い掛けに答えようとした時に
「本国、それかなり誤解。」
「「えっ?」」
二人同時に声の主の方に振り返った。
「あっ!噂の風谷君だ!」
撫子は嬉しそうに目をキラキラさせて叫んだ。
「はぁ〜。女の子は噂好きだなぁ…。昨日は2人共再テストで帰り遅くなったから俺が送っただけ。」
と淡々と風谷君は答えた。「じゃあ、至近距離は?」
不満そうに撫子が聞く。
「っそれは…」
「それは、私の目に虫が入って取れなかったから風谷君がハンカチ貸してくれた時に顔が近付いただけ。漫画みたいな誤解ね…」
「なぁ〜んだっ!面白くナイ」本当に面白くなかったようでブーブー文句を言って腰に手をあてている。
「人で楽しまないでよ、もぉ〜」
撫子は可愛いらしく頬っぺたを膨らましてまだブーブー言ってる。
「海星、来たついでだから勉強教えて。小野先生の数学の授業寝てしまって…。珍しく教壇からおりたと思ったらいきなり教科書で殴られてさ…(笑)とんでもない量の宿題だされた。」
というと、問題集を広げた。
小野先生が…?珍しい。
生徒とは関わりを自ら持とうとしない無愛想数学教師なのに…。
どうして?
何先生の心配なんかしてるのよ!?先生は…先生は…。
こんなことで放課後は3人で勉強会が日課になった。風谷君は部活があるから毎日は出られないケド出られる日は来てくれてた。

―ピロピローピロピロー
「はい、親父?いい加減にしてくれよ。仕事中だ。……あ〜、あの書類目通してくれただろ?もう取引きはやめろよ。俺がちょっと調べただけでこんなに垢が出てくるんだ。っあ!ちょっと待ってくれるか?もっと大きな垢を見つけて完全に取引きをやめられるようにするよ。それの方が会社の名前を汚すコトないしな。……うん。わかった。赤字が出ない程度に取引きをしておいてくれ。」
―ガチャン
「ふー」
数学準備室にため息が響いた。
何日、彼女に会ってないだろうか?
気が狂いそうだ。目を合わせようとしても相手は絶対に合わせようとしない。
数学をよく質問しに来たのに来ない。まぁ、理解してくれるのは嬉しいがここまで接点がなくなるのは辛い。
彼女は何か知ってしまったのかもしれない…。
なぜだ?
写真はまわってないはずだ。
あの女は俺を本気で怒らせたらとんでもないことになるとはある程度わかってるはずだ。
どうしてか聞きたいが今はそんな時期じゃない。
一段落しないと、彼女が学校にいられなくなる。
なんとかして、垢を見つけなくては…。
「会いたい…」
自然と言葉がでた。


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