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気持ちの比例式
【学園物 官能小説】

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気持ちの比例式(Renewal Version)-9

今日も図書館で3人揃って勉強会。
「あー勉強したぁー!」
伸びをしてくつろぐ撫子。
「本国と海星って教えるのうまいな。めちゃわかりやすかったし!」
純粋に驚いた顔をしてこちらを見ている風谷君。
「風谷君が化学トップってしらなかったよ。解説わかりやすかった」
風谷君を褒める私。
「実はこのメンバーすごかったり♪」
ちょっと自慢げに撫子が言う。
「カモな」
最近はこの3人でいることが多い。
「私、お手洗いに行ってくる」
撫子が席をはずしたので、図書館には私と風谷君だけに。
「最近さ、よく3人でいるだろ?もぉ、俺周りの男子にめちゃ羨ましいがられてんだよ。」
突然何を言い出したのかと思った。
「??どおして?」
「知らないの?」
疑いの目で私を見つめてくる。
「何が?」
知らないものには答えようがないんだけどぉ…。
「うわぁ〜。周りの男可哀相っ!」
ベタッーと机の上に倒れ込んだ。
「だから何がよぉ?」
「本国と海星、男の間じゃかなりの人気だぜ?」
「えっ?」
何を言い出すかと思えば…
「本国は日本人形的な美人で性格が明るくてちょっときついけどミーハー。海星は秀才美人でちょっとトロくて守ってあげたくなるタイプ。2人とも恋愛の噂まったく聞いたことがないから謎めいてる。男子の間じゃ2人とも高嶺の花だぜ?」
「へぇ〜。知らなかった。」
そんな噂が巷にはあったのかぁ…
「ということだからちょっとは周りの男子に目を向けてやってください」
と冗談まじりの笑いで頭をさげてきた。
「そうね…」

海星は最近、心ここにあらずだ…。この前の再テストの時から特に。
どうして泣いたのかは聞けなかった。聞いても俺じゃなにも解決できないのはわかってるから聞かなかった。

「なぁ?好みのタイプは?」
「へっ?」
「ぃ、いや、ぁっ、あの深い意味はナイけど周りが煩くて…。じ、じゃあ今ここにいない本国の好みでも」
ちょっと慌てた様子の風谷君。
「直接聞けば?」
「直接聞くとこっちが質問攻めにあっちまう…」
「それもそうね。撫子は、ん〜、意地悪じゃない人かな?意地悪な人といると撫子喧嘩腰になっちゃうから」
「あ〜何かわかるわ」
噂の人物がプンスカ言いながら帰って来た。
「ただいまぁ〜。帰り小野先生に会ってまた嫌味いわれたよ。きぃー!むかつく!」
「言ったとおりだな…」
風谷君は笑いを堪えながら呟いた。
小野先生…。
随分会ってない。いや、会わないようにしてる…。
あんな現場を見てしまったんだから。
先生は何も言わない。
聞きたくない。
どうしたらイイのかわからない。
やっぱり先生と生徒の恋愛は許されないんだ…。

「…る…ぁ…瑠華?ねぇってば!」
突然、撫子の顔が私の目の前にあらわれた。
「びっ、びくりした…」
「何よ?!人の顔みて驚かないでよ!で、何の話してたの?私の話?」
「色々よ色々。」
「2人して秘密?何よ!もぅ帰る!」


「ちょっと!皆で帰るんだから待ってよ」
私が立ち上がると
―カチャーン
「海星?何か落ちたぞ?」
私の足元に鍵が落ちた。
私は動けなくなってしまった。
「ほら、鍵」
風谷君は鍵を拾いあげ私に渡してくれた。
「あ、ありがと。ごめん!今日、用事あるから先に帰って。」
「え〜?!風谷君と2人だったら誤解される!というか睨まれる…」
撫子は風谷君をちらっと見て、ウルウル目で私に助けを求めてくる。
「何が?俺と帰るのが嫌なのか?」
冗談で風谷君が泣きマネをする。
「わかった。一緒に帰らせていただきます!」
「ごめんね。また明日」
―ガチャン
図書館に1人と1つの鍵。
返さなきゃ…。
必要ないものだから…。
私はある所へ向かった。
目の前には大きなロビー。
本当に豪華。
でも、見るのは今日が最後。


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