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「ボクとアニキの家庭の事情」
【同性愛♂ 官能小説】

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「僕とアニキの家庭の事情・5」-12

「フツー殴るか?」
しかも何故か微妙に酔ってる・・・。
「ていうか、フツーの人は真っ暗な中で息殺して近付いてこないから」
多分。
「なんでそんなプリプリしてるかなー?おにーちゃんはそんな暴力的な子に育てた覚えはないぞー」
等と酒臭い息で言いながら抱きついてくるアニキ。

・・・。

なんでこのヒトはこんな面倒くさい酔っ払いかたしてるんだか・・・。
「あー。判った、判ったから、ちょっと離れて・・」
「うっ・・・・こーが冷たい・・・・」

・・・・・。

なんつーか、リアルに面倒くせぇ。
「ううっ・・」
・・・ホントに泣いてんのか?
「もう・・」
軽く心配になって、顔を覗き込んでみる。
と、顔が真っ青になっている。
「アニキ?」
「うー・・・」
真っ青な顔のまんま、呻いている。
「ねぇ、アニキってば」
「・・・・吐く」

・・・・・はい?

「わーっ、ココで吐くなバカっ!!」
一言で切羽詰まった状況に気付いたボクは、ダッシュで洗面器を取りに行く。
―――あ。後ろで床にアタマぶつけた音がする・・・。
なんて気にしてる場合じゃないっ!


・・・・。
結局間に合いませんでした。
「フローリングだからイイものの・・」
取り敢えず“モノ”は放置して、先に汚れてしまったアニキの服を脱がして行く。
「あぁもう・・・」
黒いシャツだから、早く洗わなきゃ・・・。
「ほら、バンザイして」
「んー・・」
・・・・。
なんか、ボクがアニキの世話してるのって、面白いかも。
「みずー・・・」
「ハイハイ、ちょっと待って」
「はやくー・・・」
―もう。
また吐かれても困るので、ボルヴィックを冷蔵庫から出してくる。
「ほら」
そのまま額に当てる。
「んっ・・・」
「水だよ?」
「飲ませて」

・・・・・。

大丈夫かこの人は・・。
しょうがないので、キャップを開けて口元に持っていく。
「ほら」
「んー・・」
なんで首振るかな・・・。
「しょうがない・・」
蓋の開いたボルヴィックを口に含み
「ん、むっ」
そのままアニキに口移しする。


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