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細糸のような愛よりも
【同性愛♂ 官能小説】

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細糸のような愛よりも-3

「人数が少ないから目立ってたわけじゃないよ」
女の子らしいピンクのカーテンと淡い水色のテーブルが印象的な部屋。
そのテーブルに載った麦茶のグラスをひとつ手に取り、毛利は言う。
「やっぱり、カッコよかったからかな」
あたしって面食いだったりするから、と笑った。
小さい頃はよく女の子と間違えられたことはあった。
周りが綺麗な顔っていうんだから、多分平均よりは綺麗な顔をしているのだと思う。
俺自身はそこまで自分の面がいいとは思っていないけれど、もちろん言われて悪い気はしなかった。
「周りでも評判だよ、学年一カッコいいって」
そこまで言われると何だか気持ちが悪いな。
俺はそんなことないよ、と苦笑を浮かべる。
「もっとも、あたしは絹川君の中身も大好きだけど」
素直にそう言ってくれる毛利が愛しくて、俺は照れくささを誤魔化すように頭を掻きながらも、彼女の大きな瞳を見つめいていた。
「でも、残念。A組とD組じゃ教室が離れててなかなか会えないんだもん」
毛利の言葉に、俺はふと、あの軟派な男の顔を思い出した。
「そうか、毛利ってD組だったっけ。綿貫って知ってる?」
「綿貫君?」
毛利が少し驚いたような表情を浮かべて言った。
「うん、同じクラスだけど、どうして?」
「ん……いや。部活が一緒だからさ」
へえ、と興味なさそうに毛利が呟く。
俺は意外だと思った。
綿貫もなかなかの容姿をしている、と思うのだが。
「意外。あの人、部活に入ってるの? しかも、陸上部」
「俺も最初びっくりした。上級生かと思ったら、同じ学年だって言われてさ」
くすくすと毛利が笑いながら言う。
「見た目、凄い怖いよね」
それからその笑みを消して、麦茶に口をつけた。
「美形だけど、いつも何考えてるのか分かんない顔してる」
「そうだな……」
茶色の髪からのぞく、あの切れ長の瞳。
それに射抜かれると、思わずぞくりとする。
「でも、見た目よりは話しやすいよ。よく笑うし」
言って俺も麦茶に口をつけた。
「ますます意外。あんまり人に気を許さない人だと思ってた。クラスの皆と、全然喋らないし」
俺にしてみれば、その方が意外だ。
見た目よりもずっと話しやすいのに。
「気に入られてるんじゃないの」
毛利が笑って言い、俺は苦笑する。
まあ、確かに気に入られている……のか?
でも、邪険にされるよりはましかな。
俺が苦笑を浮かべたまま言うと、毛利もそうかもねと笑う。
そして俺の手を取り、小指の付け根辺りをゆっくりとなぞった。
「……ねえ、『運命の赤い糸』っていうじゃない」
「あたし、絹川君がその人だったらいいな」
どきり、と俺の胸が高鳴る。
長い睫毛に縁取られた瞳がそっと閉じた。
俺は彼女の身体を引き寄せると、その唇に自分のそれとを重ねた。


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