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嘆息の時
【その他 官能小説】

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「続・嘆息の時」-12

「こっちの穴も……弄ってあげるよ」

フェラへの躊躇いを見せている涼子へ、前夫が虚ろな表情を向けながら淫膣に埋めていた指をアヌスへと移動させていく。
蜜まみれの指先を小さな窄まりにグッとあてがうと、前夫は遠慮なく非性器の部分に力を込めていった。
あてがわれた指は、涼子のアヌスにヌルンッと滑らかに入った。それは、そこがすっかり性器としての質を持っているかのような柔軟性を見せてきた。だが、涼子にとってその衝撃は鮮烈だった。
忘れていた感覚……夫によって開発されていたアヌスの性感が、深々と差し込まれた指によって鮮明に蘇ってくる。
たかが指を呑み込んだだけ……しかし、その指が直腸のベタついた管をまさぐり始めると、脳から手足の先までが、いびつで不気味な快美感に痺れあがっていく。

「あううっ……うっ……」

眼を細め、長い睫毛を悲痛に揺らしながら、あきらかに悦楽の吐息を吐いていく涼子。
アヌスに埋め込まれた指が、直腸の壁面をなぞりながら少しずつ抽送をはじめる。
背筋に、無数の淫靡な虫たちがひしめき合いながら駆け上がってきた。
涼子は、前夫の性癖でもあるアブノーマルな行為に翻弄されながら、卑しくも肉体を切なそうに悶えさせていった。


ホテルの一室で、まさか今頃涼子と前夫が交わっているなど思いもしない柳原が、いま三本目の缶ビールを飲み干そうとしている。
酔いがまわるにつれ、頭の中にいた愛璃はいつしかいなくなっていた。いま居座っているのは、妖艶に微笑む涼子の顔だ。
昨夜は、卑猥な期待と妄想で三度も自慰をしたほどだった。
あの清楚で貴婦人を思わせる容貌を素っ裸にし、色んなポーズをとらせては果敢に責めたてる。シミュレーションはばっちりだったのだが……。

「はあ……なんか、むなしいなぁ」

口をあんぐりと開けたまま空になった缶ビールを軽く振り、すっかり意気消沈した様子でぼんやりとテレビを見つめる。
前回のデートでしっかりと気持ちを結んでおいた分、涼子のドタキャンはかなり柳原を落ち込ませた。

「こうなりゃあ、デリヘルでも呼ぶか……」

そう思いつつも、まだあきらめ切れない気持ちが涼子の登場に淡い期待を持っている。
柳原は、こめかみ辺りに少しズキズキとした痛みを感じながら、のっそりと起き上がって四本目のビールを取りに冷蔵庫へと向かった。


涼子は、けっして柳原の事を忘れていたわけではなかった。
現にいま、前夫に抱かれながらも脳裏の片隅には柳原の姿を置いていた。

(柳原さん……ごめんなさい……あっ、ああっ……ごめんなさい……わたし……わたし……やっぱりこの人のことが……)

白い背中を濃艶にくねらせながら、甘ったるい嗚咽に柳原への想いを乗せて吐き出していく。しかし、涼子の吐く吐息には、悦楽に酔いしれる浅ましさが大部分を占めていた。

「ああっ、だめっ……もう……んっ、ああん」

バックから果敢に怒張を打ち込んでくる前夫が、差し伸ばした手で双乳の豊かな膨らみをギュウッと掴み取ってはきつく搾り上げていく。

「ああっ……はああぁぁ……」

怒張のピストンに合わせ、ギュ、ギュ、と搾り上げられているバストから鋭い快美流が走ってくる。それはまるで、乳房の膨らみから歓喜のすべてを搾り出されているかのようだった。
眉間に深いシワを刻みながら優美なラインの胸元を喘がせる涼子。
身体の慄えは止まらず、脳が何度もフラッシュを瞬かせてくる。
結合部からも繰り出されている凄まじい愉悦に、肉体へ淫靡な焔がさらなる激しさをもって燃え広がっていく。


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