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Blossom
【学園物 官能小説】

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Blossom-1

「…もーいいかーい?」
静まった校舎に響く声。
返事はない。アンナは振り向いてもう一度声を放つ。
「…もーいいー?」

高めのアルトが反響する。

いいー?
いいー?
いいー?

同じく返事は、ない。
辺りを見回す。誰もいない。
(よし、どこから探そう)


――舞台は茂った森が辺りを囲む田舎の校舎。
仲良し7人組がいつものように日の暮れた学校で遊んでいた。

本日は『かくれんぼ』。


田舎で、しかもここは廃校が決まった小学校。
彼らを邪魔するものは訪れる夜のみ。


ザワザワと風が夏特有の暖かさと強さを持ち、大木を揺らす。その木にへばりついて一生懸命虫たちが鳴く。
木々の間からはオレンジ色が漏れ出してぼんやりとあたりを照らす。その光はだんだん薄暗くなり、動きは緩慢で、ゆっくりと夜にむかって準備している。


「あっ。リサ、みつけた」
「えー。アンナはやーい。ここなら大丈夫だと思ったのに」
一年生の教室。
ロッカーの小さな隙間に隠れるのは茶色い長い髪が特徴的のリサ。

「コウヘイ丸見えだし…」
「まじ?」
体育館にむかう途中。
反対側から見えていると知らず廊下のカーテンに隠れていたのはクリクリした目が可愛いコウヘイ。

「三人でいるのって、意味ないじゃん」
「だってアンナ大変そうじゃんー」
体育館にて。
ピアノの下に潜っていたのは小さくて愛らしいユキ・運動神経がとりえのサッカー部ヒロト・陸上部副キャプテン、ソウ。


「あとは、キョウヘイだけだね」
「うん。どこだろ…」

小学校の廃校舎といえども広く、アンナは既に20分以上校内を巡っていた。
見つかった彼らは校庭に座りおもいおもいに過ごしている。
(みんな薄情だわ…)
鬼に対してだから冷たいのかもしれない。

ふ、と体育館の奥の奥に小さな扉があった。
がちゃり…
あけると意外にほこりっぽくないそこは絶好の隠れ場所に思えた。
「キョーヘイ?」
積んであるマットを覗く。
「キョーヘイ……いないの…?」
案外狭く、人二人くらいがやっとだろう。

(ま、いっか。次あたしここに隠れよう)


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