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『深夜のコンビニ』
【OL/お姉さん 官能小説】

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『真昼の映画館』-6

(何やってんだ…俺…)

性欲が消えて行くとともに啓一の中で悲しい気持ちがむくむくと広がって来た。

(今日はこういうのするつもりなかったのに…)


映画はまだ続いていたが啓一はそっと席から立ち上がった。

「どうしたの?」

菜々子が驚いたようにこちらをみる。

「すみません…俺っ…」
「えっ?ちょっと待って!」

いきなり劇場を出て行ってしまった啓一を菜々子は慌てて追いかけた。

「田中くん!待ちなさいってば!!」

映画館を出たところで啓一は菜々子に腕を掴まれた。

「いきなりどうしたのよ?まだ映画やって…」

立ち止まった啓一の前に回り込んだ菜々子はその表情をみて口をつぐんだ。

「田中くん…な、泣いてるの?」
「泣いてなんかないですよ!」

啓一はゴシゴシと腕で目を擦った。

「何で泣いてるの?ごめんね…あたし悪いことしちゃった?」

菜々子にそう聞かれ、啓一の目が再びうるみ出す。

「俺この前欲望に任せてあんなことしちゃって…ほんとに後悔したのに…今日も同じことした自分が情けなくて…」

そうポツポツと語る啓一を菜々子は不思議そうに眺めていた。

「だから誘ったのあたしだし…」
「俺、小谷さんのこと好きになっちゃったんです!」

啓一のいきなりの告白に菜々子は驚いた様子だった。

「初めてなんです!こんな気持ちになったの…デートしたのだって今日が初めてだし…」
「そうなの?」
「そうなんです!」

啓一は菜々子の手をがしっと掴むと深呼吸して言った。

「順番むちゃくちゃだけど、俺小谷さんのことほんとに好きです。だから俺と付き合ってください!」
「え…えと…」
「小谷さんは俺のこと嫌いですか?」
「…嫌いならあんなことしないわよ。でも恋愛感情っていうかそういうのはまだ…」
「嫌いじゃないんですね?」
「うん」
「じゃあ付き合ってください!!」


最後はもう告白というより懇願になっていた。
啓一にとっては永遠のように感じられた数秒間の沈黙の後ー

「わかった。いいわよ」
「へ?」

間抜けな声を出して啓一が顔を上げた。


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