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陽だまりの詩
【純愛 恋愛小説】

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陽だまりの詩 epilogue-1

奏の声が耳に入ってくるのを感じて、頭がまどろみから抜けようとしている。

奏…怒鳴らないでくれ…

昨日は久しぶりだからってお父さんにガンガン飲まされたんだよ…

お前はさっさと寝てたけどな…

「春陽さん!起きてー!」
「ん…あ…今何時…?」
ようやく目を開け、ぼんやりと辺りを見回すが、まだ外は薄暗い。
「六時!寝坊だよ!六時に出るんでしょ!」
奏は俺の体をポカポカと殴る。

そうだ…今日は…

「六時…って本当か!」
俺はガバッと起き上がる。
「おい春陽!何やってんだよ!場所取り行くんだろ!」
すっかり着替えて準備万端のお父さんが俺を急かす。
昨日はお父さんも潰れてたのにえらい元気だな…
「すんませんっ」
俺は走ってシャワールームへ向かった。


「…まったく、あいつは」
「ふふ…お父さんの自覚が足りないなー」




陽だまりの詩 epilogue




あれから数年が経ち、俺と奏は一人の女の子を授かった。
奏に似て愛らしい娘の美菜(みな)は、いつもえへへ、と笑う。

美菜にも慕われ、俺はおそらく、奏のために、家族のために頑張れているようだ。


今日は幼稚園の運動会。

美菜が入園して初めての運動会ということで、俺達家族は異常に張り切っていた。

俺と奏は、美菜が生まれてから奏の実家、つまりお父さんとお母さんの家で一緒に暮らしている。


騒がしいが、暖かくて楽しい。

今ではそんな毎日が続いていた。


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