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jam!
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jam! 第7話 『蒐蓮寺の怪夜 前編』-7

『誰か』ではなく『何か』と表現した理由は一つ。

そいつは、顔の全面を無機質な仮面で覆っていた。
その仮面に張り付く表情は、……不気味な嘲笑。

個人的な意見を言わせて貰えば、まだあの鬼の方が人間味がある。

「誰だ!?」
「……ふむ。私から言わせると、あなた方こそ誰なのかと聞きたいところなんですがね」

落ち着いた声。声から判断すると若い男性だろうか?
そいつは鬼の方を向いた。

「侵入者のようですが……どうやら大丈夫だったみたいですね」
「多少の予定外の要素はあったが、な。……その様子だと、実験は成功したようだ、な」
「えぇ。問題なく終了しましたよ」


実験?実験って何だ?

……いや、そんな事より。


――さっきあの妙な音がした後からずっと感じる、この何とも言えない嫌な感じは一体何なんだ……!?


「に、二階堂さん。何なんですか、これ!?」
「知るか!コイツらが誰かなんて俺も分かんねえよ!」
「いや、そうじゃなくて!さっき何かが壊れたような音がした後からずっと感じる、この嫌な感じの空気というか何というか……」


気持ち悪い。
キモチワルイ。

しかし、二階堂さんは怪訝な顔をした。

「嫌な空気……?悠梨、何か感じるか?」
「ん……いえ、特に、何も」

……気付いて、いない?
こんなにはっきりと感じるのに!?

「オイそこの不気味仮面。さっきの妙な音……何しやがった?」

まだ戦闘体勢を崩していない二階堂さんが聞く。
それにしても不気味仮面って……まんまだなぁ。

「いやなに、一時的にこの蒐蓮寺の『穴』の封印を解放させてもらっただけですよ」
「『穴』の封印を……解放した?」
「まぁ要するに、今この場所は異界と繋がっているわけです」
「異界と…って、何だと!?」

慌てる二階堂さんに対して、仮面の男は涼しい顔で続ける。

「とは言っても本格的に解放したわけではないので、せいぜい向こう側の空気が流れ込んでくる程度でしょうが……おっと」


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