投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

FULL MOON
【OL/お姉さん 官能小説】

FULL MOONの最初へ FULL MOON 33 FULL MOON 35 FULL MOONの最後へ

FULL MOON act4-12

「安西さんって、彼氏と別れたんじゃないんですか?」

「…?」

絵里ちゃんは聞いたこともないような冷たく、低い声で問う。
私は少し驚く。

「それ誰につけられたんですか?」


私のキスマークを指差す。
私が答えられずにいると絵里ちゃんは話し出す。


「私、今日バイトの前に高坂さんと安西さん見ました。」

「あ…」

見られちゃったのか…。


「はじめ、間違いかと思いました。高坂さんは彼女いないって言ってたし、安西さんは彼氏と別れたばかりだし。……でもそれ、誰ですか?つけたの。」

「………。」

「言えない人なんですか?」

「…高坂、さん…だよ。」

絵里ちゃんは少し着替ていた手をぴたりととめるも、今度は急いで着替えはじめる。…まるで早くこの場から去りたい、とでも言うように。


「…二人は付き合ってるんですか?」

「…うん。10日前くらいから。」

「…高坂さんは彼女いないって言うし、安西さんは別れたばっかりなのに…どちらにしろ最低な付き合いですね。」

「…そんな…確かに別れたばっかりだけどいい加減な気持ちじゃ…」

「それにこの間私が付き合いたいって言ってたの、どういう気持ちで見てたんですか?…私浮かれて…バカみたい…。」


言葉の語尾が震えてる。
…泣いてる……?


「絵里ちゃんっ…ごめ…」


絵里ちゃんは急いで荷物を持ち、バタン!!と盛大にドアをしめる。


「絵里ちゃん!」

急いで追うも、追いつかず。見えるのは揺れるドアだけ…。


(絵里ちゃん…泣いてた…。)



今日だって、きっと私達を見たから元気がなかった。

(どうしよう…。)



悲しい思いをさせた…。絵里ちゃん、lunaやめちゃったらどうしよう……。


(どうしようどうしようどうしよう…!)

夏でもないのに、冷や汗がとまらない。


FULL MOONの最初へ FULL MOON 33 FULL MOON 35 FULL MOONの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前