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FULL MOON
【OL/お姉さん 官能小説】

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FULL MOON act4-11

今日は私がバイトだ。最近高坂さんとは一緒に入らない。あえてそうしてるんだけど(私が顔に出しやすそうだから)働く彼を見れないのは、またもや寂しい。



商店街を抜けると…見えてくる「luna cafe」の看板。
北欧風で可愛い色使いは店内も統一されていて、大好きだ。
一階はカウンター席とソファーで少し狭く、二階の方が広い。景色も二階は綺麗だからどちらかと言うと二階の方が人気。

私は一階の隅の席が好き。人が少なくて静かだし、そこからだと庭の手入れが好きなオーナーの植えた四季折々の花が楽しめる。
二階の方が見渡せてキレイといえばキレイなんだけどね。



私はみんなに挨拶をして更衣室に入る。昨日のご飯おいしかったな〜とか、…キスの感触とかそんなものを思い出す。でろでろに溶けそうだ。
…私今日バイト出来るのか?



ガチャと、誰かが入ってくる。見ると絵里ちゃんだ。少し緊張しながら声をかける。


「おはよー。」

「…おはようございます。」


いつも元気な彼女は、チラリと私を見るもすぐに自身の着替えを始める。



「…?」


(何かあったのかな。)

彼女がこうして元気がないときは過去数回あった。その日は1日全く喋らず、どんなにみんなが心配しても大丈夫だよ、と言うばかりだった。
しかし、次に会った時は戻っていた。
「あの日バイト来る直前に好きな人が彼女といるの見ちゃって…暗くてすいません〜。」
と、申し訳なさそうに言っていた。

つまりは本人が心の中で整理がついてないからどうしていいか分からないのかもしれない。
あんまり追求はしないほうがいい。



そうして、今日は結城さんと室くん(同い年の男の子)と絵里ちゃんとどこか気を使いながらも楽しく仕事をした。


閉店近くになると案の定、結城さんは終電が!と言いながら急いで帰り、室くんは上がりが私より早く、片付けは絵里ちゃんと二人きりになる。
絵里ちゃんの扱いに困っていると結城さんは「ほっとけばいーのよ、勝手に治るわよ」と急いで支度をしながらが言う。


まぁ、そう思うけど…
二人きりは沈黙が痛い…





チクチクと沈黙に耐えながらも仕事を終えると、着替えをするため、更衣室に入る。
シャツを脱ぐと胸の上あたりにキスマークが見える。

(あ…これ昨日…気付かなかった。一体いつ…)


またもや甘い思い出に意識を飛ばそうとすると、冷たい声がばっさりと切る。


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