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loop
【幼馴染 官能小説】

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loopU-3

「なんも祐介が気にする事ないよ。」





祐介と同じく、高校から一緒だった睦月とは、大学入学からしばらくして付き合う事になった。
それまで誰とも付き合おうとしなかった僕が睦月と付き合う事になって、前々から僕には密かに好きな人がいるんだと思っていた友人達は、それが睦月だったのだと勝手に納得していた。もちろん、祐介も含めてだ。

僕もそれを敢えて否定しなかったけれど、ずっと好きな人がいたから誰とも付き合わなかったわけでもなければ、ましてやそれが睦月なんて事もあるはずもなかった。
睦月は祐介と同じようにつるむ友人の一人で、男女関係なく接しやすくサバサバした女だったし、普段はそういう類のものに敏感な方の僕も、この時の睦月の気持ちにはちっとも気がつかなかった。

『由紀、付き合おう』

凜として、僕なんかよりも全然強く、透き通るような睦月の声も、夕焼けで痛いほどオレンジ色になっていた教室も、今でもはっきりと思い出せる。
まっすぐ僕を見据える強い瞳も。
あの瞬間だけ、僕は睦月を好きだったのかもしれない。



「…あれからもうどれ位たつっけ?」
「二年…ちょっと、かな。」
「ほんとに忘れた?」
「忘れたよ。」


僕と睦月はそう長くは続かなかった。

別に睦月が嫌だったわけではないけれど、睦月とつきあいながらも僕は別の女の子と相変わらず体を重ねた。
もちろん僕は睦月の事が好きだったけれど、それが佑介や他の女の子に対する気持ちとどう違うのかともし聞かれたら、僕はうまく答えられなかった。


罪悪感に耐えられなくなったといえばまだ綺麗に聞こえるかもしれないけれど、その内いい加減に僕は嫌気がさして睦月に別れを切り出した。

他の女の子と遊んでいる僕や、本当は何を考えているかなんて知らずに、表面的な僕を好きだという睦月に。


『やっと切り出してくれたね。』


別れを切り出した僕に、睦月は怒ることもなく、むしろホッとしたような顔をしていた。
『由紀があたしを見てない事位知ってたよ。だってあたしは由紀の事ずっと見てきたんだから。』
それくらいわかるわ、そう言った睦月はとてもサバサバとしていて、それはいつもの睦月と何ら変わりなく、でもやっぱり惜しくて別れようと言えなかった、と悲しそうに笑った睦月は僕の知らない女性の様だった。

そう、あの時も夕焼けでオレンジ色に焼けた教室だった。

正確にいうと、忘れたわけではない。
祐介にもう忘れたのかと聞かれるたびに僕はイエスと答えるけれど、睦月の言葉は今でもはっきりと覚えているし、あの時の夕焼けだとか、机だとか、教授が忘れて行った教壇の上のボールペンなんかもはっきりと覚えている。


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