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君を好きになりました。
【純愛 恋愛小説】

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君を好きでいいですか?-1

ああ〜…落ちない…
今日、運命の子に会いに行った俺、高山健吾(たかやま けんご)不覚にも彼女の前でケンカをしてしまった。俺の口元から流れた血を彼女は、自分のハンカチで拭ってくれた。その血が洗っても洗ってもとれないのだ。
―なんっでとれないんだ!!このままじゃ返せない…
俺、薄いピンクの中真っ赤に染まった俺の血をじっと見つめた。
―…ピンクっていうより薄い紫が似合いそうだよな…
!!そうだ、新しく買って返そう!!うおっ俺、やっぱ頭いい〜!!彼女に似合うきれいなハンカチを…買うぜ!!
俺は翌日(土曜日)朝からデパートへ行った。彼女に似合うハンカチはすぐに見つかって、白地に小さな紫の花が散りばめられている。
―かっっ…買った!!
俺、店員に無理言って包装のリボンも薄い紫にしてもらった。
―…ちょっ…と、かっこ良すぎるかな〜俺、やべ〜惚れられちゃうよな〜…
俺、店を出てきれいに包装されたハンカチを見ながら彼女の笑顔を思い浮かべた。
彼女は、間違いなく俺に笑顔を向けた。あんな風にケンカして、汚してしまった。きれいだった街っていうか空気っていうか、そんな俺に…笑顔で「ありがとう」て言ってくれた。見間違いじゃない。今思い返しても涙が出そうになる…
―ん?
浸ってる俺の頭に大粒の水滴が落ちてきた。
―雨?やべっ
俺、ハンカチを上着のポケットに突っ込み、ふと目に止まった本屋に駆け込んだ。俺が本屋に入ると同時にゴーッとすごい音をたてて雨が降りだした。
―うおっ危ねー…間一髪じゃん、あんなん濡れたらハンカチぐしゃぐしゃになってたな…
俺、ほっとして店内をなんとなくふらふら歩き回った。
―うへ〜…難しい本ばっか、こんなん読むやついるのかよ…俺、活字ばかりの本が並ぶ通路から出て、マンガの通路へ足を向けた。その時…
―!!っっえ!!
彼女だ。活字ばかりの本を一心に選ぶ彼女が俺の目に飛び込んできた。パンツ姿にジャケットを羽織っていて、どこにでもいそうな格好なのに、彼女だけは、すごく高貴に見える。―まっっまぶしーー!!まぶし過ぎる!!
俺、突然のことでうまく呼吸が出来なくなってきた。
―ハ…ハンカチを…いや、先に名前だ、きっ今日こそは…いや、落ち着け俺!!そうだ、ちょっと、落ち着こう…
俺、彼女に背を向け、一度店を出て大きく深呼吸した。
外はまだ雨が降っていて、わずかな屋根の部分で濡れないよう大きく伸びをした。
―よし!!名前だ!!
俺、気合いを入れ直し店へ入ろうとした。自動ドアが開いた瞬間、2・3人の男たちが飛び出してきた。
―うおっなんだ〜?
「待ちなさい」
続いて店員らしき男が雨の中彼らを追って飛び出した。
―あ〜万引きか
俺が店へ視線を戻したと同時に、店の中にいた店員が、俺の腕を掴んだ。
「君も仲間だろう!!来なさい!!」
「はぁ!?」
―なに言ってんだこいつ
俺、掴まれた腕を振り払った。
「お前も万引き犯だろ!!」
店員は、俺の後ろ襟を乱暴に掴みあげた。
―っのやろ!!
俺、店員の胸元を掴み、殴る為に腕を上げようとしたがその腕を押し下げられた。


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