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届かない吐息
【その他 官能小説】

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君が好き-1

「優紀〜。」
ゆらゆらと揺れる感覚に目を開く。
「・・・・・」まだ暗い部屋の中、側にある温もりを抱きしめて再び目を閉じた。
「ゆ〜き〜・・・」うるさい。苛っとして背中を向け小さく丸まる。
「いい加減起きてよ〜・・・」
「・・うるさい」かろうじて声を紡いだ。がさがさと掠れた声が耳障りだがそれよりなにより眠い。
「だって俺暇・・・」「寝てろ」命令のように吐き捨て三度目を閉じた。サイドから肌を撫で胸のふくらみに伸びてくる手を感じながら意識は睡魔に捕らわれぐずぐずと溶けて。


「ダメか。無防備に寝ちゃってさ・・・」すうすうと気持ちよさ気な寝息をたて始めた彼女の胸から手を外しほっぺたを軽くつつく。
柔らかな胸に触れたせいですっかり天へ向かう自分にため息をついて、そっとベッドを抜け出した。
勝手知ったる彼女の家。風呂場へ向かいシャワーを浴び自らを鎮める。
確かに疲れさせたのは自分だし今日は休みだから遅くまで寝ていても問題は無いけれど。
頭と体をタオルでがしがし吹きながら今日の予定は未定だな・・・と諦める。
たまには映画でも・・と思ったのになぁ。
優紀の好みぐらいわかっている。
こってこてのラブストーリーが好きなのだ。
意地っ張りのくせに寂しがり屋で、照れ屋。
そんな彼女がイク時に俺に好きと言ってくれるのは本当無意識の領域らしく、そんな深く愛されちゃってる事実によりいっそう優紀が好きでたまらない。
考えてる内にムラムラしてきて寝室へ舞い戻る。すぅすぅと寝たままの優紀の肌に思いっきりキスマークをつけた。
気持ちよさそうに甘い声をあげて笑う姿に更に唇と指で快楽の火を灯す。
引っかくようにして胸の先端を目覚めさせ起き上がってきたところを口に含んで吸い上げ、舌先で転がして緩く噛んでその甘さを味わい、片手で腰や足の間を撫でほんのりと色づいて張りを増した肌も楽しむ。
「・・っ・・ふ・・なっ何してるのよ!」
情欲を宿したとろんとした瞳と赤く色づいた肌で睨まれても誘っているようにしか・・見えない。特に返事はせずに広げた足の間に顔を埋め綻び始めた芽へ舌先を伸ばす。
「ん、やぁぁっ・・!」びくびくっと内腿を震わせ足で頭を挟み込んでくる。柔らかさと雌の匂いにクラクラしてブツリ、と理性の切れる音がした。
ぷっくりと膨れた芽と開いた花を舐め回す。舌先でこじ開けて内側へ差し入れ高くなっていく嬌声を聞き、吹き出した密にまみれ。
起き上がりぐりぐりと乳首を摘み、猛る剛直を温もりの中へ埋め込んだ。「たっ・・けるっ・・・剛ぅっ・・・」背中へ立てられる爪の強さは快楽と比例していると知っているから遠慮なく腰を打ち付けじゅぶっじゅぶっと立つ水音と締め付けてくる中に追い立てられて。
「やぁぁっ・・剛好きっ・・・・」ぎゅうっと締まってくる中から慌てて引き抜きお腹の上へ俺のを放出させた。

荒い息のまま隣へ倒れ込むとこっちへ向いた優紀の瞳から涙が溢れていて。
「ゆっ・・優紀!?」慌てて指で拭おうとしたら振り払われた。
「ば・・・か・・・」ぽろぽろとこぼれてシーツへ吸い込まれていく涙にただ俺はおろおろするばかり。
「ひどい」力無い拳が俺を叩く。
「ご、ごめん・・・」抱き寄せてよくわからないがとりあえず謝った。
「わかって、ないでしょ?」くぐもった声が責めの声色で問うてきた。
「ん・・うんごめん・・」ぎゅっと腕に力を込めた。
「馬鹿。意識無いのにするとか嫌。」どんどんと胸を叩く拳が心まで叩く。
「ごめん・・・」ただ謝るしかできなくて情けなくなってくる。
「私じゃなくてもいいって事、なんだよ・・・!?」
「でも・・優紀の寝てる顔可愛くてムラムラしちゃったんだ・・・ごめん。もうしない、絶対。」「本当?」ごそごそと腕から抜け出し見上げてくる瞳に涙はない。
「約束する。」「なら許してあげる」ぎゅっと俺の体に優紀の腕が回る。柔らかな体にようやっと許されて安心した。
「シャワー、浴びてくるね?」離れて立ち上がる姿を目で追い、女心・・というか優紀はよくわからない。
とりあえず、このまま寝ていたら上がってきた優紀に何か言われるから俺は台所へカフェオレでも、と作りに向かう。
仕方ないだろ・・好きだから尽くしたいんだよ。


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