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「集結する者たち」
【ファンタジー その他小説】

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「集結する者たち其の三〜フレイン・ラルト〜」-2

「あのさ、ちょっと訊いていい?」
突然、陽介が片手を少し挙げて質問しようとした。フレインは「ああ、いいよ」とだけ答え、質問に備える。
「さっきの……なに?」
「さっきのって?」
質問の意味が分からなかったので、訊き返す。陽介は明確に言い直した。
「さっきの、手から炎が出てくるやつ。それに、あの男」
「ああ、それは魔術だよ」
あっけらかんとフレインは答えた。陽介は目を見開いて、言葉を失っている。
「あの男に関しては僕には分からない。生かしといてなにか訊いとくべきだったかな」
と、フレインは消し炭に目をやる。
陽介はただ、驚いていた。魔術、などと平然と言うのだから。だが、あの現象を見たあとでは信じざるを得ない。魔術という存在を。
「とりあえず、君はこれからどうするんだ?」
フレインは心配そうに言った。それはまだ陽介に襲われる危険性があるかも知れない、と思ったからだ。
しかし、陽介はどうするかなんて分からない。どうすればいいのか分からない。
そんなふうに混乱していると、

――クックックッ……――

どこからか、さっきの金髪の男の声が聞こえてきた。
まだ生きていたか、とフレインは直ぐ様消し炭を見たが、そこから声を発している様子はない。
――テメエらに教えてやる。ここは鷹須賀崎。テメエらの墓場だ!ハッハッハッ……――
鷹須賀崎という名に聞き覚えはない。陽介もそうらしく、訳が分からない、といったような顔をしていた。
「どういう事だ!?」
声を張り上げて、フレインは辺りを見回した。奴の気配すら感じられない。
もう、声は聞こえなくなっていた。
呆然と立つ陽介。あの男をどこかで見たような気がしてならなかった。だが、どこで見たのか。
「……なんなんだ、あいつは」
そう、呟くしかなかった。


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