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初恋のハジメ方
【初恋 恋愛小説】

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初恋のハジメ方 act.3-2

「え!? いいよ、そんな!悪いし……」

「そんなことないよ! それに一応私そこそこ勉強出来るから。」

そういって更に勧めると、

「じゃあ悪いけどお願いしようかな……詳しいことはあとでメールしながらでも決めようか。」

優人が最終的に折れて、柚子は彼の臨時家庭教師になった。そして電車は優人の高校の最寄り駅に着いたので優人はそう言った。

「うん。じゃあメール待ってるから。」

「わかった!じゃあまたね!」

「うん。バイバイ。」

そう会話を交わして2人は別れた。




優人の部活が終わるのを待って2人は再開を果たしたときと同じコーヒーショップで待ち合わせた。ほかの場所でっていう案もあったが、勉強会という名目上前回と同じ場所の方が適切だと思いここに決めた。
先に着いた柚子が紅茶を飲みながら待っていると部活終わりにまっすぐ来たのだろう少し着崩した制服姿という出で立ちで優人がやってきた。

「ごめん! 待った??」

「ううん。全然待ってないよ。 それより部活、終わるの早かったね。」

「あぁ、監督が練習している暇があるなら勉強して赤点回避しろってね。汗 」

開きかけていた本を閉じて尋ねた柚子に向かいの席に座りながら彼は答えた。

「そっか。 じゃあ早速だけど始める?」

「うん。じゃあよろしくお願いします。柚子センセ?」

こうして2人の勉強会が始まった……。




「えっとね。ここは難しく考えないで単純に公式どおりに代入してね……」

「え〜と、じゃあ……27??」

「そうだね! これでここら辺も問題もわかるよね?」

最初こそ躓きばかりだった勉強会も熱心な柚子の指導によりようやくスムーズに進み始めた。始めた当初は優人の学力具合に思わず頭を抱えてしまいそうだったものの、知らない・わかってないだけできちんと教えてあげればそれをしっかり吸収してくれるので柚子は教えるのが楽しかった。


「じゃあ少し休憩しようか。頑張ったね! 今日だけでもこんなに進んだよ。」

ホラっと柚子は今日だけで学んだ部分をパラパラと優人に見せた。それは1日だけの量にしてはなかなかのものだった。

「疲れた〜! こんなに勉強したの産まれて初めてかも。汗」

グッと伸びをして優人は言った。その表情には疲労がみてとれた。


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