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春雨
【純愛 恋愛小説】

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Sunny time-1

俺にとっては衝撃的な春美さんとの再会から数日後…

あれから彼女とは頻繁に連絡を取っていた。

「ばあ様、週末東京行ってきていい?」
祖母と二人で夕食を食べているときに…恐る恐る切り出した。

株取引などで、自分の金はあれども俺はまだ高校生…。
泊まりがけで行きたかったから一応許可を貰わなくては…と、思って言うと、
「…東京?
まだ春休み残ってるし行ってきたら?」
と、あっさりと返された。
「…泊まりがけで行きたいんだけど…」
「泊まりねぇ…家はホテルとかやってないし、どこ泊まる気?」

『来た』と、思いながらも、恐る恐る
「春美さんのトコ」
と、答えると、祖母は
「……内山の…!?」
と、目を大きく見開いた。

「…あー、うん。」
「…随分仲良くなったのねぇ?」
「まぁ、知り合いだったし…」

「彼女、良い子よねぇ…。
馴れ初めを話せばいくらでも行かせてあげるわよ?」
祖母は酒の入ったグラスを片手に含み笑いを浮かべた。


―――――――
―――――

「…何、笑ってるの?」
春美さんの声にソファーに座っていた俺は振り返った。

「…あ、帰ってたんだ」
「今、ね。」
「お帰り、チョット見合いの後のコト思い出してさ」
「…随分と昔のコトを…」
そう言ってスプリングコートを脱ぐ彼女…。

そう、あれから5年の月日が流れていた。


26歳になった春美さんは益々美しさに磨きがかかり、警視庁で敏腕刑事として日々働いている。
俺も22歳…今春、大学を卒業したばかりだが、卒業前から親の会社を手伝っていた。

俺はすぐにでも結婚したかったが、彼女の『まだ遊び足りない』と、いうお言葉でおあずけを喰らっていたのだが……祖父たちにせっ突かれ、少し前に入籍した。


「春美さん、夕飯どうする?」
「んー?
つくって?」
「分かったー。」
冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、飲みながら俺の隣に座った。


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