投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

陽だまりの詩
【純愛 恋愛小説】

陽だまりの詩の最初へ 陽だまりの詩 69 陽だまりの詩 71 陽だまりの詩の最後へ

陽だまりの詩 10-5

「いいか、よく聞いておけ」

…前振り長いな。

「この間、殴ったことは悪かった」
「…へ?」

予想外の言葉に唖然とする。

絶対にそんなことで謝らないと思っていた。

「溺愛している娘に、こんなに早く悪い虫が付くとは思わなかったからな。つい焦ってカッとなった」


悪い虫って誰のことっすか…


「普通はあれで逃げると思った」

そりゃ軽い気持ちで寄ってきたなら逃げるわな。

だけど俺は軽い気持ちじゃない。

「だがお前は逃げなかった。まあどういう神経しているのか疑ったがな」
「…なにが言いたいんすか」
しびれを切らせて問いただしてみた。
「……」
「……」

今までで一番重い沈黙。

「…なにが言いたいのかわからなくなった」

ずっこけそうになった。

やっぱりあんたは奏の父親だ。

「…まあなんだ」
お父さんは再びタバコに火をつけた。

「お前が奏にとって大事な人間だということはわかった」
「……」
「そしてお前が奏にとって必要な人間だといいことも」

「それは、俺を認めていただいた、ということですか?」
「……」


なにか言ってくれよ。

「…存在だけは認めてやる」
「…?」
「ま、せいぜい奏に利用されるこったな」
そう言うと、お父さんは全く吸っていないタバコを消して、携帯灰皿に入れると腕をひょいと挙げて去っていった。

「……」

お父さんの背中は大きかった。

父親として娘を守るのは当たり前。

俺も奏を好きになった以上、父親から娘を奪うということだ。

結局、お父さんに認められたかどうかはわからなかったが、これからも誠実に奏と接していこうと決心した。


陽だまりの詩の最初へ 陽だまりの詩 69 陽だまりの詩 71 陽だまりの詩の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前