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初恋のハジメ方
【初恋 恋愛小説】

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初恋のハジメ方 act.2-2

「私、ごちそうしますから好きなモノ選んでください。」

お店に入り注文をしようとしたときに柚子がこんな申し出をした。

「えっ!? そんなの悪いよ!」


彼は慌てて断るものの、

「このあいだ飲み物ごちそうしてもらったし是非させてください!!」

と引き下がらなかった。そんな柚子に

「いや、でも年下におごられるのはなぁ……」

と彼は困ったように頬を掻いた。そんな言葉に、

「えっ!? あの…… 「あっ! もしかして同い年だった?」」

困惑気味に返した柚子に彼は焦って訂正を入れるが、
「いえ……一応今年でハタチなんですけど……」

とそれをさらに訂正すると、

「うえっ!? 年上!? ごめん!!」

と、とても驚いた表情で柚子に謝った。

「いえ、実年齢に見られることは少ないんで……」
今まで何度も年齢を間違えられているため慣れているもののやはりショックではあり柚子はゲンナリと答えた。


「ていうか、今までずっとタメ語だった 汗 ホントすいません!汗」

結局柚子の申し出に折れてごちそうになって席に移動した後で、彼は柚子に謝った。

「いえ、ホントに気にしないでください。 それに別に敬語じゃなくてもかまいませんし。」



謝り話し方も敬語になった彼に柚子も何度も断った。

「ホントですか? それじゃあ……そうだ! 自己紹介がまだだったね。天野 優人です!よろしく!」

何度も断る柚子にようやく彼、優人は折れた後、話を切り替えるように自己紹介をした。

(天野…優人……)

ようやく知れた彼の名前を心の中で確かめるように繰り返した。そして柚子自身もまだなことに気づいて慌てて自己紹介をした。

「あっ! そういえば……。夏木 柚子です。よろしく。」




それから2人はたくさんの話をした。元々、人見知りで他人と話すこと苦手とする柚子だが、優人が色々に話してくれたせいか短い間にぐっと彼に馴染んだ。
そして会話の中で彼のことを色々知った。今高校2年正で、野球部に入っていていること。朝は朝練のため柚子が乗っている電車より少し遅いものに乗っていること。あの日はたまたま前日が練習試合だったため朝練がなかったのであの電車に乗っていたこと。家が柚子の家から数駅しか離れていないこと。
柚子も優人に色々話したが、どちらかと言うと彼の話を聞くほうが多かった。しかし彼の話を聞くことは柚子にとってとても楽しかった。


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