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シスコン
【コメディ 恋愛小説】

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シスコン『第十章』-9

学校についた。
「よう。朝から大変そうだな」
「俗に言う寝坊だ」
「あっそ」
作山が笑った。朝からこいつの笑い声は頭に響く。
「なぁ、知ってるか?」
「なにが」
「日本が誇る会社、朝日ユニバーサルグループが本格的に海外進出するんだってよ」
「あぁ、それで親父が海外に行くのか」
作山の表情が無くなった。
「オレの親父が勤めてる会社、朝日うんだらくんだらだぞ?」
「ユニバーサルグループな。ってそれマジかよ」
「あぁ、一回だけ聞いたことがある。『オレの会社は朝日なんたらかんたらなんだぞぉ?』ってな」
「ユニバーサルグループな」
作山はため息を吐いた。
「つーことは相当いい給料もらってんな?」
「あー…確か…」
オレは昨日の話を作山にした。
「へー、そうなのか。だったら…」
「泊めないからな」
「ぐっ…」
作山が突っ伏した。
「オイ四世、呼んでるぞ?」
宗宮の声を聞き、廊下を見た。柚木さんがいた。オレは柚木さんの元へ行った。
「どうしたの?」
「今日の昼休み、屋上にきてね」
それだけ言って、戻って行った。
作山がオレに近付く。
「どうした」
「いや…ある意味風のようにだな…」
少し嫌な予感がした。




昼休み
屋上に行くと、すでに柚木さんがいた。
「話ってなに?」
柚木さんに近付いた瞬間、胸倉を掴まれフェンスに叩き付けられた。
「ちょっ…」
「千里君について知ってること全部吐きなさい!」
息が苦しい。とりあえず息を吸うことにした。
「乱暴に扱われると、ちょっと嫌なんだけど」
「馬鹿にすると殴るわよ」
「ある意味姉貴より怖いな」
思いっきり睨まれた。
「わかった。とりあえず何があったんだ?」
「千里君について知ってること全部吐きなさい」
「質問する権利はないのか?」
「ないわね」
「キャラ変わってるぞ」
「優しくする余裕がないの」
これが柚木さんの本性?
恐ろしいね。これからは怒らせないようにしよう。
それよりも、今この状態がどうにかならないもんかね。胸倉掴まれて動けないし、足動かせば股間に一撃喰らいそうだし。女の子に乱暴する趣味はないし。
向こうの意志でやめてもらわないとねぇ。
「知ってること?そうだね。身長がひゃく…」
「死にたいならその話を続けて」
「遠慮するよ」
あぁもう!どうしようもなさそうだな。
イライラしてきた。
「こうやって尋問するためにここを選んだわけ?」
「そうだね。こんな寒い時期に屋上にくる人間もそういないしね」
頭はよく働いていらっしゃるようで。
「…千里には内緒にしてほしいと言われたんだけど」
「秋冬君が言ったとは一言も口にしないから安心して」
ほう。一応オレが悪いわけでもなさそう。
だったらなに?千里のことが知りたいからこんなことを?
「オレが知ってるのは、千里の元カノがこの学校にいるってことだけだよ」
「…やっぱり。白鳥の言ったことは本当だったんだ…」
「白鳥?あいつと何かあったのか!?」
柚木さんが驚いた。


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