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ねこ♪ネコ♪小猫♪
【学園物 官能小説】

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ねこ♪ネコ♪小猫♪-5

志穂の驚き方で、小坂はかなりの有名人ぽいけど、私は何も知らない。
なので、さっきから疑問に思っていた事を素直に志穂に聞いてみた。
「ねぇ。小坂ってそんなに凄いの?」
携帯に釘付けになっていた志穂の視線が私に戻り、「えっ?」ていう顔になる。
「ネコ…。あんたまさか小坂の事、知らないの?」
志穂の問いに頷くと脱力したように「えぇぇ?」と言い、小坂情報を語り出した。

小坂は去年の入学式で新入生代表を勤めた秀才で、スポーツも万能な事。
教授にも受けが良く、周りの学生に分け隔て無く、優しくスマートに接するため、彼に思いを寄せる女子大生は校内をとどまらす、校外にもいるらしい事。
そんな小坂と、友達としてではあるが近くにいる事になった私は、もっと小坂に感謝しなくてはいけないと言った。

『なんで、小坂に感謝しなきゃいけないんだよ。』
と思いながら「ふぅ〜ん」と言ってお茶を啜った。
志穂は「まったく、ネコは…。」とブツブツ言いながら途中になっていた食事に手を付けた。

私は志穂が食べ終わった頃合いを見計らい、もう一つ聞けなかった事を聞いた。
「で、志穂。今回はどうしたの?」
志穂の身体がビクッと震えた。大体の答えは知っているけど、志穂に聞く。

私達は中学からの付き合いで、志穂がストレスから暴れて私が宥めた後は、志穂の『お詫び』を受け取って、志穂が溜め込んでいるものを聞いてやる。
それが、いつの間にか二人の間に出来た習慣だった。

「修一の事?」
修一の名前が出た途端、志穂はまたビクッ!と身体を震わせる。

修一は志穂の義理の弟で、志穂が小5の時にお母さんと再婚した人の連れ子だ。
小さい内はカワイイ弟が出来たのが嬉しくて、何処に行くにも一緒だったが、修一が中学に上がると二人の関係がギクシャクし始めた。
志穂が修一の事を『弟』ではなく『男』として意識し始めたからだ。以来、修一宛のラブレターや、女の子と楽しそうに話したりしているのを見る度、志穂の中で嫉妬が溢れ出し、感情のコントロールが出来なくなってしまう。
そんな自分が嫌で、志穂は高校進学の際、私と同じ女子高を選んだ。万が一、万が一だけど、修一が同じ高校を選ぼうとしても、絶対入学できないために。

しばらく俯いていた志穂がポツリポツリ語り出した。
「修一、遠くに行くんだ…。」
いまいち内容が把握出来ないが、私は黙って聞く。
「金曜日の夕食で大学受験の話してさっ。修一、家を出て一人暮しするんだって。笑っちゃうよね。」
志穂は自嘲気味にハハッて笑った。私は静かに
「それで、いいの?」
と聞いた。志穂は涙を浮かべながらキッと睨むと、
「どうすりゃいいのよ!修一は家族!弟なんだよ!告白なんて出来るわけないじゃん!」
「でも、思いは言葉にしなきゃ伝わらないよ?」
志穂は怒ったような顔をして、
「ネコにはわかんないよ!恋愛なんて!!
女である事を拒否してるネコに、アレコレ言って欲しくない!!」
志穂は一瞬『しまった』という顔をしたが「帰る!」と言って、席を立っていった。


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