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unknown quantity〜未来への道〜
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unknown quantity〜未来への道〜-12

「すみません。…試したかったので。」

奏真は申し訳なさそうに下を向く。

「…いや、いい。“真無刀”を貸してくれ。」
「…はい。」

奏真は皇希に“真無刀”を渡した。皇希は軽々しく持っている。すると、鞘を外した。

「“真無刀”よ。宗也は可能性を感じるか?」

皇希の言葉に反応したように刃が眩しく輝いた。皇希以外の全員は目を瞑る。奏真も驚きながらも目を瞑る。

「そうか、解った。また、しばらく眠るがいい。起こして悪かったな。」

“真無刀”は皇希の言葉に再度反応したように刃からの輝きを消した。皇希は鞘を戻した。そして、奏真に渡す。

「……宗也よ。仇を討つのは構わない。しかし、復讐だけが幸せになる道でもない。」
「えっ!?」

皇希の言葉に宗也は思わず声を出した。皇希は気にせずに言い終わると月都を見る。

「…月都よ。“真実”は時に残酷だ。死を覚悟して聞くのは利口的じゃない。だが、知識を得る事は悪い事じゃない。」
「!!」

月都も動揺したように顔を逸らした。皇希はまた言い終わると菜津未を見る。

「…菜津未よ。自分の道を歩いているようだが、欲に溺れている。自制心がないから時には我慢をしてみるんだ。新しい道がある。」
「!」

菜津未は本当の事を言われたようで目がキョロキョロと動いた。皇希は雪江を見る。

「…雪江よ。優しさを振りまくのはいいが、自分を見失っているな。たまには自分を見つめ直す事だ。」
「…」

雪江は考えるように頭を抱え出した。皇希は麻里香を見る。

「……麻里香。解っているな?自分の悪い所がどこなのか?」
「……だいたいは知っています。」

麻里香は納得がいかないようだが、皇希に言った。皇希は奏真を見る。

「…あとは任せた。助言はしといた。各自が正しい道を見つけるように、…奏真、お前が導くんだ。」

皇希は微笑みが少し露になった表情で言った。奏真は気合いが入った頷きをした。皇希は表情を変えずに宗也の方に再度見る。

「…宗也よ。俺が伝説的になっているのは“強大なる力と知識”の所持者だからだ。…だから俗世から身を退いた。」

宗也は驚きの表情から一転、真剣な表情になると喋り出した。

「…じゃあ、その“力”を世の中に使わないのは何故ですか?貴方が居なかったから、俺の母親は死んだんだ!」

宗也は急に怒りを爆発させた。全員が驚く中、皇希は真剣な表情で聞いていた。


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