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無味乾燥
【ショートショート その他小説】

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『晴れ時々曇り、のち雨』-1

『カイセイ〜Sky and Blue〜』

 丘──町の人は、清澄山(せいずみさん)と呼ぶ──を登り終えると、空一面に蒼色が広がっていた。

 その蒼は、悲しさや淋しさ、苦しさや辛さ、無念さや苦痛などのネガティブな気持ちをすべて消し去ってしまいそうな蒼だった。



 キミの空を見上げる癖がいつのまにかボクの癖になり、いつもこの丘からの空を一緒に見上げていた。

 でもキミは、ボクの隣には居ないし、ボクが暮らす街にももう居ない。

 だけど、ボクは信じている。キミはどこかでボクと同じこの青空を見ていることを……。

 またあした来る。キミが見ているであろうこの空を見に……。

END


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