投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

夜に芽吹く向日葵
【大人 恋愛小説】

夜に芽吹く向日葵の最初へ 夜に芽吹く向日葵 2 夜に芽吹く向日葵 4 夜に芽吹く向日葵の最後へ

夜に芽吹く向日葵-3

さっさと寝室に戻ろうとする私に、後ろから抱き着いてくる。

そうは言っても…愛情の破片も感じられないその行為。



微かな香水の残り香。



一緒に過ごすべき女と交わってきた後なのか。

だとしたら、今…私に抱きつく意味が分からない。

溜まった動物としての欲求は、発散してきたというのに。



「彼女としてきたんじゃないの?」

私は直球で彼に言う。

「まあ…」

彼も、それがなんだと言わんばかりに即答する。

「じゃあもういいじゃない…」

私は、明日の仕事に備え、さっさと寝てしまいたかった。



だったら、玄関先で拒めば済むのに…私はいつもそうしない。

そして、彼も…拒まれたからといって怒って帰るわけでもなく、そのままこの部屋で一夜を過ごす。




「そうか…じゃあ、もう寝るか」

何もなかったかのように、淡々と答えた後…

彼はここが自分の家であるかのように、勝手に自分の着替えを出しシャワーを浴びに行く。



よかった…

私が、今夜交わりたくなかったのには、眠かった以外にもう一つ理由がある。

妊娠する可能性がある期間だからだ。

彼は私と交わる際、絶対と言っていいほど避妊をしない。



それが彼の嗜好なのかと思い、最初の頃訊ねたことがあった。

「ねえ…彼女とする時も、つけないの?」

彼は淡々と答えた。

「いや、つけるよ」



遊びだったら、相手がどうなっても構わないというのか…

最低な男だと思った。



けれども、それからも私たちの交わりは継続している。

その最低な男に、平気で体を開く私はもっと最低な女なのだろうか。


夜に芽吹く向日葵の最初へ 夜に芽吹く向日葵 2 夜に芽吹く向日葵 4 夜に芽吹く向日葵の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前