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光の風
【ファンタジー 恋愛小説】

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光の風 〈風神篇〉前編-8

「なぜ、彼女がそれを知っているか。」

貴未の動きが固まった。まさかの事態、どういう事だという疑問符が頭の中でいくつも生まれる。

「私にはそれが分かる気がする。」

マチェリラの言葉は衝撃的だった。貴未は反射的に体をマチェリラに近付ける。

「人目見て分かった。貴未、あの子達は古の民よ。」

耳を疑った。

貴未はマチェリラから目を逸らさずに考えだけを頭の中で張り巡らせた。リュナが古の民、そんなまさか。なぜなら。

「カルサはそんな事一言も…。」

「あの子に古の民かどうかなんて見抜けない。」

貴未の言葉を遮り、マチェリラは強くゆっくりと伝えた。つい数時間前、カルサとその話をしたばかりだ。

確かに、彼に古の民かどうか見抜ける力はない。それは本人の口から聞いた。

「カルサは知ってるのか?」

分からないとマチェリラは切ない表情で首を横に振った。貴未は動揺していた頭を凄いスピードで整理していく。

決めた。

「カルサのとこに行こう。」

貴未の目に迷いはない。彼から差し出された手をマチェリラは握り、二人は一瞬にして姿を消した。



カルサは国が見渡せる場所にいた。

あのフェスラと戦い、貴未と同盟を組んだ城の屋根の上に千羅と二人でいた。

「皇子、誰か来ます。」

千羅が呟いた瞬間、貴未とマチェリラが姿を現した。

「カルサ!」

その表情は少し厳しい。だいたいの検討を付けながらカルサは貴未の言葉を待った。

「マチェリラが凄い事を教えてくれた。」

カルサはマチェリラの方を見る。彼女もまたいつもと様子が違う。

「お前知ってたのか?リュナが古の民だって事。」

カルサの世界から音が消えた。



今、何と言ったのだろう。

目の前にいる貴未は興奮しているのか、少し息が上がっていた。マチェリラも真っすぐカルサを見ている。

「リュナが?古の民?」

 一番最初に答えたのは千羅だった。ゆっくりと伺うようにカルサの方を見た。彼の目は目の前にいる貴未を映しているのか、小さく震える唇は何かを呟いていた。

 まさか、そんな。

 口にすればするほど思いが膨れ上がる。有り得ない、カルサの全身をその言葉が埋め尽くして爆発した。


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