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光の風
【ファンタジー 恋愛小説】

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光の風 〈風神篇〉前編-2

「それでは、本日の会議はこれまでという事で。」

老大臣の一言をきっかけに会議の参加者は席を立ち部屋を後にしていった。その流れに乗りカルサも席を立った。

ぞろぞろと人が会議室から出てくる中、目的の人物を捜し出し声をかける人がいた。

「陛下!」

呼ばれたのはカルサ、声の主は聖だった。聖はカルサのもとへ近寄り、共に歩き始めた。

「お話があります。少しお時間をいただけませんか?」

聖の言葉に頷き、部屋へ、と呟いた後二人はカルサの私室へと向かった。

部屋に入るなりカルサは真っすぐ窓辺に向かい、薄手のカーテンを閉める。そして脱力したようにソファに腰掛けた、その姿はサルスだった。

「お疲れさん、サルス。」

「全くだ。」

カルサの代わりは骨が折れると、苦笑いをしながら答えた。まだ入り口付近に立ったままの聖に気付き、向かいのソファに座るように促した。聖は話ながらそれに従う。

「で?なんでカルサはおらんねや?」

「詳しくは聞いていない。緊急事態だと言っていたが…多分、御剣関係なんだろうな。」

確かな答えが得られずに、二人は黙り込んでしまった。貴未も調査に出ると、いなくなっている。

なんとも言えない疎外感を覚えずにはいられなかった。

「結界はどうだ?」

沈黙を破ったのはサルス、カルサがいない今、必要な情報だった。聖は短く、補強済み、問題はないと思う、と返す。それは間違いではなかった。

「ただ、相手による。」

眼差しは真剣だった。

「あん時みたいに、めっちゃ強い奴が来よったらひとたまりもない。」

あの時。その一言でそれが何を指しているのかが分かってしまった。いや、分からずにはいられないと言ったほうが正しいのかもしれない。

カルサとリュナが封印された、あの時の侵入者。誰も適うものがいなかった、それほどに強い者がいたら結界など意味をなさない。聖はそれを訴えていた。

「それは…覚悟のつもりだ。でも結界石の力があればもう少し保つだろう?」

サルスの言葉に聖は直ぐには反応しなかった。一呼吸置いた後で、そうやな、と答える。そして話は終わったと聖は立ち上がり、部屋から出ていった。

少し違和感を覚えながらもサルスは彼を見送る。

しかしこれは、後に起こる事件の前兆だった事をサルスは気付けなかった。

自室に戻る為、長い長い廊下を聖は厳しい表情で歩いていた。ここは王室専用の区域な為にすれ違うものは誰もいない。もう少し先に進めばリュナの部屋がある、だが聖は目もくれずに方向を変えてナルの部屋へと足を進めた。

いつもより足早になっているのは気のせいだろうか。しかし聖の思いとは異なり、ナルの部屋に人の気配はなかった。

最近ナルの姿を見ていない、それは彼女の警護に付いている紅奈の姿を見ていないのと同じだった。何をしているのかは知らされていない。

また疎外感を覚えながらも聖は自室へと足を戻した。


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